"衣服の上から股間部を触る"など第三者委がセクハラ認定 岐阜・池田町の岡崎和夫町長

メ~テレ(名古屋テレビ)

岐阜県池田町の岡崎和夫町長のハラスメント問題。24日、第三者委員会は15人に対するセクハラ行為があったと認定し、岡崎町長が辞意を表明しました。

24日朝、報道陣の取材に応じた、岐阜県池田町の岡崎和夫町長(76)。 「(第三者委員会の)記者会見が終わったら、データや報告書いただけるので、それをしっかりと見させていただく」(池田町 岡崎和夫 町長) 町長が話した“報告書”。自身の”セクハラ疑惑”をめぐる、第三者委員会による調査の結果です。

手をさすり「若い子の力をもらわないといかんでな」

池田町役場の助役などを務めた岡崎町長は、2003年、町長選に立候補し、無投票で当選。以降、20年以上にわたり町長を務め、現在、6期目です。 そんな岡崎町長に疑惑が上がったのは、去年のことです。 町の元女性職員らが、町長からセクハラの被害を受けたと訴えました。 元女性職員の訴えによると、10年ほど前、岡崎町長が数分にわたって元女性職員の手をさすり「こうやって若い子の力をもらわないといかんでな」と話したといいます。 また、背後から尻を触られ、拒否した際には「あかんか。どこまでがだめなんかわからんでな」とも話したといいます。 訴えに対し、町長は当時── 「手を握りながら、がんばれよというのはあったかなと思う。当時は(セクハラだという)思いはなかった」(岡崎町長の会見・去年7月) 今の認識では? 「セクハラ行為にあたるという判断」(岡崎町長の会見・去年7月) この問題を受け、町は去年、調査委員会を設置。職員や元職員、843人へのアンケートや、町長を含む当事者へのヒアリングなどを重ね、調査を進めてきました。

衣服の上から股間部を触るなどの“セクハラ行為”を認定

そして、24日に提出された報告書。去年被害を訴えた元職員1人を含む、15人について「セクハラがあった」と認定しました。 「特に深刻な被害」として事実認定されたケースです。 2014年ごろ、ある職員が4日連続で町長室に呼び出され、手を握る行為から始まり、二の腕、太ももを両手でもむように触ったほか、衣服の上から股間部を触るまでエスカレートしたということです。 また、町長はこの後、この職員に対し「すまんかった。誰にもいわんといてくれ」と口どめともとれる要求をしたと報告書は指摘しています。 このほかにも、職員への聞き取りで判明した「尻を触られた」「胸を触られた」「後ろから抱き着かれた」などの行為が「セクハラ」として認定されました。

「辞職相当である」と指摘

「池田町の懲戒処分の指針がございまして、当てはめると免職に相当すると考えられる事案である。町長につきましては、辞職が相当だと我々は判断しました」(第三者調査委員会 幅隆彦 委員長) 調査委員会は、岡崎町長が「辞職相当である」と指摘。また、町長へのヒアリングをした際に「示談があった」とされる事案についての調査のなかで、関連書類の作成の拒否など、「明確な非協力態度」があったと非難しました。 「非協力的な態度、否定する事実、明らかにしないということで反省が足りないのではないか」(第三者調査委員会 幅隆彦 委員長) Q.今の時点で進退などについて? 「いや、まだ考えていません。与えられた任期は2年半ありますので、今はやるつもりでおります」(岡崎町長) 報告書を受け取る前はこう話していた岡崎町長。24日夕に辞意を表明しました。 外部からの調査で、明らかになった岡崎町長のハラスメント行為。 町民に話を聞くと「人間として情けない、辞職してもらいたい。池田町民として歩けない」「もう代わったほうがいいんじゃないの、まずいでしょ、今の時期」などの声がありました。

副町長は「ハラスメントに気づかず」

報告書や町民の声を、どう受け止めているのか。 再び、岡崎町長に話を聞こうとしましたが、午前中に始まった、第三者委員会の会見中に、岡崎町長は、公用車で役場から外出していました。 どこへ行ったのか、町に聞いたところ「公務か私用か分からず、行き先を把握していない」という答えが返ってきました。 町長によるハラスメントは、なぜ長年見過ごされてきたのか。会見後にメ~テレの取材に応じた副町長は── Q.町長のセクハラと思われるような行為を目にしたことはなかったですか? 「それはなかったですよ」(池田町 牛嶋勝一 副町長) Q.噂でもなかった? 「そうですね。私の耳には聞こえてこなかった」(牛嶋勝一 副町長) ハラスメントに気付かなかったという副町長。町長の進退については── Q.町長の進退に関して副町長が感じるところ、考えはございますか? 「進退は町長自身で決められる形だと思うので、町長自身の考えのなかで結論を出していただきたい」(牛嶋勝一 副町長)

カメラの前で明言避けるも、その後に辞意表明

町長は、いつ戻ってくるのか。 取材を続けていると午後3時前に、その姿が── Q.セクハラが認定されたことは? 「認定されたということであればそうだと思う」(岡崎町長) Q.聞き取り調査の中では否定していた? 「よくわからないと話した」(岡崎町長) Q.調査報告書は全部読んだ? 「これから、これから」(岡崎町長) Q.外出は公務ですか? 「公務です。会議です」(岡崎町長) カメラの前では、進退について明言を避けた町長。この後に、辞意を表明しました。

© メ~テレ(名古屋テレビ)