英国退去処分を科された元王者ベッカー氏がウインブルドン再訪を熱望!「大好きな大会で恋しく思っている」<SMASH>

2022年4月にイギリス・ロンドンで行なわれた自身の資産隠しをめぐる裁判で禁錮2年6カ月の実刑判決を受けた後、同年12月に英国内で定められている早期釈放制度の適用が認められたことで自由の身となった男子テニス元世界ランク1位のボリス・ベッカー氏(ドイツ/56歳)。その彼が「来年のうちにイギリスに戻りたい」と、英メディア『Telegraph』のインタビューで願望を語っている。

イギリスでは英国籍を持たない外国人が12カ月以上の実刑判決を受けた場合、自動的に国外退去処分を科されるというルールが存在するため、ベッカー氏は釈放後に母国ドイツへ帰国。程なくしてコメンテーターやコーチ業等の仕事も再開した。

しかし刑期を終えて以降は英国入国を果たせておらず、スペインメディア『Punto de Break』によれば、少なくとも今年10月までは英内務省の許可が下りない限り、ベッカー氏がイギリス国内に足を踏み入れることは許されないという。場合によっては同省から入国が認められるまでに10年以上の期間を要する可能性もあるようだ。
それでも「入国許可を得ることはできるはず」と自信を見せるベッカー氏。その根拠として同氏は、自身が現役時代に3度のウインブルドン優勝を成し遂げたことを挙げる。「もちろん自分が決めることではない」としつつも、「10年間もイギリスに戻れないというのはナンセンスなこと。今年の10月以降は内務省から許可を得られるようになる」と続けた。

英国入国が叶った際には「大好きな大会で恋しく思っている」思い出のウインブルドンにまた足を運びたいとベッカー氏は熱望する。「2025年中にその目的を果たすべく、あらゆる面で取り組んでいる。それが1つの選択肢だ。とりあえず今はまだ戻ることはできないから、現地(イギリス)で誰に対して働きかければ良いのかを見ていこうと思う」と、目的達成に向けてできる限りのことをやっていく意欲を示した。

果たして来年のウインブルドンではベッカー氏の姿が見られるのか。ひとまずは今後の動向を注視していきたい。

文●中村光佑

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