3月1日から公開されている、『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』の興行収入が38億円を突破し、観客動員数が321万人を突破したことが発表された。
毎年、家族連れを中心に賑わう映画『ドラえもん』。劇場版アニメ43作目となる今回の映画では、入場者特典として劇中に登場したひみつ道具に関する漫画やクイズが載っている「映画ドラえもん のび太の地球交響楽 響く♪まんがBOOK」がプレゼントされる。
子ども向け映画では、入場者特典が用意されるものも多いが、たとえば『ドラえもん』の映画では、カラーバリエーションのあるドラえもんをかたどった特典などがあり、テレビCMなどで告知される特典の数々にワクワクした覚えがある人も多いだろう。
そこで今回は『ドラえもん』の他にも、1990〜2000年代の子どもたちを喜ばせた、懐かしいアニメ映画の特典を振り返りたい。
■簡易だけどうれしかった『ドラえもん』の特典
まずは前述した『ドラえもん』。映画10周年記念作品となる1989年公開の『映画ドラえもん のび太の日本誕生』では、同時上映の『映画ドラミちゃん ミニドラSOS!!!』に合わせ、入場者特典として底にボールがついたドラえもんのおもちゃ「ミニドラ」がプレゼントされた。
ほかにも、翌1990年の『映画ドラえもん のび太とアニマル惑星』では底にスプリングがついた「ジャンピングドラ」がプレゼントされ、さらに翌1991年の『映画ドラえもん のび太のドラビアンナイト』ではトコトコと歩く仕組みがついた「ウォーキングドラ」がプレゼントされた。この時期で特徴的なのはカラーバリエーションの多さだった。
その後は、1995年公開の『映画ドラえもん のび太の創世日記』での「ミニドラレーサー」のように、車輪のついたおもちゃが多くなり、シャトル、UFOなどの乗り物に乗っているデザインが多く見られた。
また、2000年の『映画 ドラえもん のび太の太陽王伝説』では「スライドラ・パズル」という、ドラえもんの顔型の裏に小さな3×3のパズルがはめ込まれたものがプレゼントされた。以降、年によって形はバラバラだが、いずれもドラえもんをかたどった、作品にちなんだデザインのおもちゃが特典となった。特にぜんまいやねじを使った、プルバック式のものが多かったようだ。
そして、2020年からは現在のようなまんがBOOKが特典となっている。まさに『ドラえもん』映画に歴史ありというわけだ。
■ゴジラとハム太郎のミスマッチさがかわいい「ゴジハムくん」
続いては、よく考えたら強烈な見た目の特典を紹介しよう。それは、ゴジラがハム太郎を食べているようにも見える「ゴジハムくん」。
2001年公開の映画『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』と『劇場版 とっとこハム太郎 ハムハムランド大冒険』の同時上映についてきた特典がこのゴジハムくんだ。
これは赤・緑・青の全3色のゴジラの着ぐるみを着たハム太郎のキーホルダーで、怖い顔のゴジラと、その口からかわいらしいハム太郎の顔がのぞいているというミスマッチさがなんともインパクトがあるおもちゃ。
当時から大反響を呼び、現在でもなおSNSで人気を集めている。反響の大きさもあって、2021年にゴジハムくんの生誕20周年を記念して「ゴジハムくん生誕20周年プロジェクト」が行われた。新規の絵柄で多様なグッズが発売され、話題を集めたことが記憶に新しい。
■子どもたちの声がキャラに届く「ミラクルライト」
映画の特典といえば、『プリキュア』シリーズの映画を鑑賞した際に、中学生以下の来場者がもらえる「ミラクルライト」を懐かしく思う人もいるのではないだろうか。
これは2007年公開の『映画 Yes!プリキュア5 鏡の国のミラクル大冒険!』から始まったもので、映画冒頭で使い方の説明があり、クライマックスでプリキュアがピンチになった際に、キャラクターの呼びかけに応じて光らせる、プリキュアを応援するためのライト。この応援によってプリキュアがパワーアップするというおなじみの展開だ。
新型コロナウイルスの影響で2020年の『映画 プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日』では映画本編で使用できず、翌年以降は別の入場者特典に変更されていたが、『プリキュア』シリーズ20周年となる2023年公開の『映画 プリキュアオールスターズF』では「復活!ミラクルライト」として、4年ぶりにミラクルライトが配布された。
思い出すだけで懐かしくなる映画の入場者特典の数々。手のひらサイズのおもちゃに、大きなワクワクが詰まっていた。