半導体株下落は相場の転換点のサインか!?

●半導体株が暴落 AI(人工知能)関連で人気だったマグニフィセントセブンの一角、エヌビディアの株価が4月19日、10%下落した。3月の高値から終値ベースで約20%下落している。

日本株でも、東京エレクトロンが7%超安、ルネサンスが5%超安となるなど、半導体株が軒並み下落した。

好調だったエヌビディアの急落は衝撃が大きく、市場ではAIバブルの終焉という悲観的な声も聞かれる。

2000年のITバブル崩壊のように、相場全体が下落するきっかけとなるのだろうか?

●ITバブル崩壊の再来?その他の半導体株の動き 1999年から2000年にかけて、IT関連企業の将来性への期待から、米国を中心に通信やIT企業の株が買われた。シリコンバレーを中心にベンチャー企業設立が相次ぎ、ITバブルやドットコム・バブルとも呼ばれた。

しかし、これらの相場は前年のアジア通貨危機への対応で、FRBが取った低金利政策・金融緩和によって溢れた金が流入した影響が大きかった。

多くの企業が利益の裏付けがなく、企業の破綻、不正会計などの発覚により、相場は崩壊。その後、2001年の米国同時多発テロや、FRBの利上げなどで、NASDAQも5分の1まで急落。日経平均も半額以下に落ち込み1万円を割り込むなど、株式市場全体が下落した。

今回、各企業の決算発表の時期となっており、オランダの半導体製造装置ASMLは、2024年1-3月期の受注額が予想を下回り急落。

世界最大の半導体受託製造会社TSMCは好決算であったものの、伸び率の予測を下方修正したことでこちらも約7%急落した。

●半導体バブルの終焉!?相場も急落? 市場はITバブルの再来を警戒しているだろうが、バブル崩壊を裏付けるような決定的な要因は今のところない。

しかし、過熱感が警戒されており、利益確定の動きが出てきていることは間違いない。

それらの動きは半導体に限ったことではなく、中東情勢の緊迫化や米国の利下げ時期の後ずれなどにより、リスクオフの動きを最も影響を受けたという見方もできる。

これから直近ではマイクロソフトやアルファベットの決算も控えており、これまでのように右肩上がりで半導体銘柄が買われるというよりは、決算を見極めながらのシビアな状況となるだろう。

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