消滅可能性都市 富山県では全15自治体のうち5市町が該当 氷見市、南砺市、上市町、入善町、朝日町

有識者グループ「人口戦略会議」が人口減少によって将来的に持続不可能となる「消滅可能性自治体」を公表しました。富山県内では朝日町や氷見市など5つの市と町が消滅可能性自治体に分類されています。

「人口戦略会議」が24日に発表した「消滅可能性自治体」は、2050年までの30年間で20代と30代の女性が50パーセント以上減ると推定される自治体で、全国で744の自治体が、それに該当するとされました。富山県内では氷見市、南砺市、上市町、入善町、朝日町の5つの市と町が対象です。

なかでも県内で人口減少が最も深刻なのが朝日町です。1950年に2万4000人のピークを迎えた人口はその後、減少が続き2022年には1万525人とピーク時の半数以下となりました。また、20代と30代の女性は2020年の619人から2050年には223人に減ると推計されていて、この世代の女性の人口減少率は64%と県内で最も深刻です。

「消滅可能性自治体」の対象となったことについて町民は…。

町民:「大変残念です。減っていってますからね。特に中心部の方とか、昔1000戸近くあったのに、今は600戸くらいしか無くなってしまって。もう空き家ばっかりなんです」

朝日町はタラ汁が名物として有名ですが、タラ汁店の店主は…。
「悲しみでいっぱいだね。私らの店が、みんなやめていくというなかで、女性の方、たくさん働いていたんだけど、そういう人がいなくなっている。そういう連鎖やちゃね」

朝日町の山崎富士夫副町長は…。

朝日町・山崎富士夫副町長: 「今回もリストに入ったというところについては、10年前にも創生会議のときにはいっていたので、だから特に入ったからと言って特にびっくりするとかということは正直なかった。そんなに簡単に抜けられないので」

朝日町は10年前にも別の有識者グループ「日本創生会議」から「消滅可能性都市」として名指しされていました。

町は前回からの10年間で「子育て応援日本一のまち」を掲げ、▼家庭で育児をする世帯に対し、毎月6万円を支給する子育て応援金、▼小中学校の給食を全額助成、▼高校生世代までの医療費無償など妊娠から出産、育児にわたって切れ目のない支援をしてきたとしています。

2年前には、DXや情報発信に特化した「みんなで未来!課」を設置し、通学の際に子どもの居場所がわかるデジタルサービスを展開。

その結果、今回の発表では「消滅可能性自治体」であるものの、10年前と比べて若い女性の人口減少率が改善したという評価を受けました。

朝日町・山崎富士夫副町長「少なからず改善という多少の改善につながったということは素直に喜ばしいことではあると思っています」

朝日町・みんなで!未来課・住吉嘉人課長 「消滅可能性都市に選定されたということですけども、そういった言葉に惑わされることなく、我々はしっかりと住民の皆さんと朝日町に必要な行政サービスをしっかり膝を突き合わせて議論をして、この町が求める将来像に少しでも近づけるよう、今はデジタルという力を十分に活用して取り組んでいきたいと思っています」

人口戦略会議は、朝日町を含む県内の5つの市と町に対して「自然減対策が必要」「社会減対策が極めて必要」という分析結果を示しています。

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