QBランスは49ersではうまくいかなかったものの“QBパーディには救われた”とリンチGM

サンフランシスコ・49ersのジョン・リンチGM【AP Photo/Godofredo A. Vásquez】

サンフランシスコ・49ersは2021年にトレードアップしてドラフト全体3位でクオーターバック(QB)トレイ・ランスを獲得するという、結果的に報われなかった指名以来、初めての1巡目指名に備えている。

49ersはトレードで獲得した指名権を用いてランスを指名したものの、結果的にはうまくいかなかった。ランスは49ersで過ごした2シーズンでわずか4試合の先発しか果たせず、その後、ドラフト4巡目指名権と引き換えにダラス・カウボーイズにトレードされている。ジェネラルマネジャー(GM)のジョン・リンチ、ヘッドコーチ(HC)カイル・シャナハン、そして49ersの他の幹部たちにとって幸運だったのは、翌年の2022年ドラフトで、最後の指名順である全体262位でQBブロック・パーディーを獲得できたことだった。

パーディーを見つけ出していなければ、49ersはクオーターバックのポジションをめぐって苦境に立たされていたかもしれない。しかし、リンチGMはランスでの失敗を将来のドラフト戦略に対する恐怖として捉えてはいない。それはむしろ、彼らの経験になっている。

49ersの公式記録によると、リンチGMは現地22日(月)に次のように述べたという。

「ジェド、ジョン、デニス、ジェナ、マーラ(ヨーク)は、カイルと私、そしてわれわれのリーダーシップを信じてくれている。そして、彼らは、われわれが何かをすればもっと良くなると思うなら、それを信じ、後押ししてくれる。彼らが制約を課すことはほとんどなく、われわれは大胆に行動できると知って安心している。確かに、われわれは多くのことを犠牲にしてしまった。自分たちなりの理由や動機があって決断したが、結果的にはうまくいかなかった」

「でも、“ミスター・イレレバント”(パーディー)がいてくれてよかった。彼がわれわれを救ってくれたんだ」

リンチGMは、ランスから次のステップに進んだことが、49ersの組織としての強さを示していると指摘し、こう続けた。

「まだトレイ・ランスの物語はまだ終わっていないのだから、彼について言及する際には常に注意している。今、彼はダラスにいるが、私はトレイがまだいいフットボールができると思っている。まだこれからだ。そのうち分かるだろう。とはいえ、何かが終わったときの自由さは大切だと思うし、次に進むための向上心も大事だと思う。それに、ドラフトで指名したんだから頑張るしかない、というような負い目もない。やりたいことをやればいい。そのための思考プロセスについて、人々はコメントすることができる。当然のことながら、われわれはそのプロセスを振り返り、何がうまくいき、何が間違っていたのかを分析している。これはすべてのドラフト指名に当てはまる。われわれはフットボールチームとして、また組織として、非常に良い状態にあると思うけれど、さらに改善する方法を見つける必要がある。それがこのオフシーズン全体の焦点だ。そして、今回のドラフトはまさにそれを行うための素晴らしい機会だ」

パーディーが“ミスター・イレレバント”からスーパーボウルの先発選手へと昇格したことで、リンチGMとシャナハンHCは、ディフェンシブエンド(DE)ニック・ボサ、ワイドレシーバー(WR)ディーボ・サミュエル、オフェンシブタックル(OT)トレント・ウィリアムス、ランニングバック(RB)クリスチャン・マカフリー、ノーズタックル(NT)ジャボン・ハーグレイブ、ラインバッカー(LB)フレッド・ワーナーなど、高給取りの選手でチームを構築する自由が得られた。ひとつ大きな疑問は、WRブランドン・アイユークが今オフシーズン、その仲間入りをするかどうかだ。

パーディーが来オフシーズンに契約の延長が可能になることから、49ersがパーディーに支払う年俸が、同ポジションの先発選手たちと比べて低いというメリットはなくなる。リンチGMは現実問題として、木曜日の1巡目指名権——そして49ersが使わなければならない10個の指名権——がより重要になるという考えを否定し、さらに次のようにつけ加えた。

「われわれは常にそのポジションについて考えており、そこに確かな答えを持っていると知っていること、そしてそれが本当に良い選手であるという事実は、心強い。彼を中心にチームを構築し、さらに強化していくことができる。現在のロースター、すなわち今われわれが保有している選手たちをとても高く評価している。若手選手たちが入ってきてすぐに活躍するのは難しい状況だとは思う。しかし、優れた選手がいるし、そうした選手が必要だから、それを見つけ出すのがわれわれの仕事だ。高額な契約を結んでいる選手がたくさんいるため、ルーキー契約に頼る必要がある。そのため、先ほど述べたすべてを実現する必要があり、今回のドラフトから何人かの選手を育てる必要がある。彼らは来年も、その先も、プレーすることになる。そして、そのチャンスはここにある」

現在、49ersが保有する10個のドラフト指名権のうち、3つが100位以内に入っている。

【KO】

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