墜落海自ヘリと同型機の記念切手「事故後で値打ちある」と発言 鹿屋市長が謝罪「不適切で、深くおわびしたい」

発言に対する謝罪を述べる、鹿屋市の中西茂市長=24日、鹿屋市役所

 鹿屋市の中西茂市長は、墜落事故があった自衛隊ヘリコプターが写った記念切手を「値打ちがある」などと述べたことについて24日、報道陣の取材に「不適切な発言で、深くおわびしたい」と語った。同日、海上自衛隊鹿屋航空基地の第1航空群司令、大西哲海将補に面会し謝罪。市議会に文書で経緯を伝えた。

 中西市長は23日の同発言について「切手がたくさん売れたらという思いが出た。事故を引き合いに出したのは大きな間違いだった」と説明。市民や関係者に対しては「心を痛め、不快な思いをした方がいるはず。深く反省している」と述べた。

 大西海将補は取材に対し「市長の謝罪を受けた。現在も捜索に全力であたっており、(事故で行方不明の隊員の中には)鹿屋市出身者もいることを理解いただきたい」とした。

 事故は20日深夜、伊豆諸島の鳥島東方海域で発生。1人の死亡が確認され、7人の捜索が続く。中西市長は23日、市役所であった切手贈呈式で、同基地幹部が同席する中、「事故後のすぐの写真で値打ちがあるんじゃない」と発言した。市は同日、同基地幹部に「市長の発言を取り消したい」と申し出て了承する返事を受けたという。

 切手は事故の同型機などが写る10枚組。海上自衛隊鹿屋航空基地で28日にある「エアーメモリアルinかのや」などを記念して、日本郵便九州支社が25日に発売する。

記念切手の見本

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