【阪神】雨中の「大どんでん返し」で7連勝 岡田監督が選んだ〝マン・オブ・ザ・マッチ〟は…

逆転勝利を収め引き上げる岡田監督(中央)ら阪神ナイン

4月の冷たい雨が舞台装置となって、歓喜と絶望が何度も交錯するクロスゲームを紡ぎだした。阪神は24日のDeNA戦(横浜)に5―3で逆転勝利。1―3の9回に5本の安打と3つの四死球を集中する、打者一巡の猛攻で大熱戦をもぎとった。

最終回のマウンドに上がった相手守護神・山崎はここまで5戦連続無失点と好調を持続していた難敵。だが降り続けていた雨で足元のマウンドは緩み、指先は滑った。先頭打者の〝事起こし男・糸原〟が左前打で出塁すると、近本、中野も連打で続きアッという間に無死満塁。続く森下には押し出し死球を当ててしまいスコアは2―3の1点差。敵将・三浦監督は5番手・徳山の投入を決断したが、虎の勢いはもう止まらなかった。

大山の同点中前打、ノイジーの押し出し四球であっという間に4―3と勝ち越しに成功。満塁男・木浪もダメ押しの5点目を挙げた。

「ホンマにもう…」。試合後の岡田彰布監督は形容のしようがない〝大どんでん返し〟に苦笑いを浮かべるしかなかった。チームはこれで引き分けをはさみ7連勝。大型連勝となったが「そんなんオマエ、眼中になかったわ。ハッキリ言うて」と一蹴した。

7回3失点とゲームをつくった先発・伊藤将。難しいコンディションの中8、9回のマウンドをいつも通り無失点で切り抜けた桐敷、ゲラらのブルペン陣。大逆転劇のきっかけをつくった仕事人・糸原。ヒーローが数多くいる一戦となった。「それでもあえて、この試合のMVPを一人選ぶなら?」と報道陣に問われた岡田監督は「そらやっぱりアレやろ。ノイジーやろな」と即答。先制と決勝の押し出し四球をしぶとく選んだ助っ人の名を挙げた。

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