金沢でライドシェア 冨士タクシー意向 5、6月中開始

  ●運輸局準備、金土曜に30台

 一般ドライバーが自家用車を使い、有償で乗客を送迎する「日本版ライドシェア」について、北陸信越運輸局が、金沢市と同市近郊を範囲とする「金沢交通圏」で実施する準備を進めていることが24日、分かった。圏内で営業する全タクシー事業者の意向を30日まで聞き取り、5、6月中に開始する予定。24日時点で冨士タクシー(金沢市)が参入の意向を示している。

 石川運輸支局によると、金沢交通圏ではライドシェア用の車両枠を30台とし、営業時間は金土曜の午後4時~翌午前5時台とする方向。運転手はタクシー会社が雇用し、各社の管理下で営業する。

 石川運輸支局は22日、冨士タクシーが金沢交通圏でのライドシェア実施の申出書を提出したため、各事業者の意向調査を始めた。参入する事業者をまとめ、5月にも車両枠の配分を決定する。

 金沢市内では北陸新幹線の敦賀延伸でさらに増えた観光客や、地震の被災地支援に入る人もタクシーを使うため、供給不足となっている。冨士タクシーの塚本泰央社長は「業界に転職するきっかけにもなってほしいと思っている」と話した。

 石川県内では、小松、加賀の両市で自治体版の「ライドシェア」が始まっている。国土交通省は24日、富山市や福井市を含む全国12区域でも、タクシー事業者がライドシェアの導入の意向を持っていると発表した。

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