森家再開26年度以降 富山市岩瀬の重要文化財

地震の影響で休館している旧森家住宅(富山市教委提供)

  ●骨組みにひび割れ

 能登半島地震の影響で休館している富山市岩瀬地区の国重要文化財「旧森家住宅」の利用再開が2026年度以降の見通しとなったことが24日、市教委への取材で分かった。屋根を支える骨組みのひび割れやつなぎ目のずれなどの被害が確認されたためで、耐震補強工事を行い安全を確保する。

 森家は木造2階建ての北前船廻船問屋で、1878(明治11)年ごろ建てられた。2021年度の耐震診断で、震度6強程度で倒壊の恐れがあるとされ、2階と土蔵の見学制限や仮補強などの措置を取って公開していた。今年は1月5日に開館予定だった。

 市教委は耐震工事に向け設計を進めていたが、地震を受けて実施した調査で状態の悪化が判明し、工事完了まで休館することとした。土蔵の工事を今年度に行う。住居部分は設計の見直しや国との協議が必要で、着工時期は未定という。

 担当者は、旅行会社や観光客から再開時期の問い合わせや応援の声が寄せられているとし「安全第一であり、残念だが仕方ない。また多くの人に見に来てもらえるよう再開に向け全力で取り組む」と話した。

  ●馬場家は5月開館

 市教委は24日、森家に隣接する国登録有形文化財「旧馬場家住宅」を5月1日から開館すると発表した。能登半島地震後、調査のため臨時休館していたが、建物に大きな被害は見つからなかった。

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