中国EV、北陸初進出 金沢にショールーム キャンピングカー、英二輪車も…

日本海側初となるBYDのショールーム=金沢市入江3丁目

  ●需要回復期待、攻勢強め

 自動車・二輪車ブランドの「北陸初進出」が相次いでいる。石川県内ではこの春、英国の二輪車メーカーが進出したのを皮切りに、大型連休後には、電気自動車(EV)を中心に製造する中国大手の比亜迪(BYD)のショールームが開設される。夏には中古車販売大手も参戦する予定で、各社はコロナ明けの需要回復を期待し、攻勢を強めている。

 イーピーエムグループ(白山市)のEV北陸(同)は5月10日、金沢市入江3丁目に日本海側初のショールーム「BYD AUTO 金沢」を開業する。グループで扱うのはBMWやポルシェなどと合わせ、7ブランド目となる。ショールームの面積は219平方メートルで、3台分の展示スペースを確保した。

 海外に比べ、日本国内でEVの普及は進んでおらず、BYDは手の届きやすい価格を強みに浸透を図る。2023年2月に横浜市に日本1号店を出して以降、25年末までに100店舗超の開設を目指し、出店を加速させている。同グループへの問い合わせも多く、担当者は「普及の余地は大きい」と話した。

 アスモーター(金沢市)は27日、白山市乾町の白山店内に、キャンピングカー製造国内大手ナッツ(福岡県遠賀町)の車を取りそろえた「ナッツ金沢」をオープンする。

 約2年前にレンタカーとして1台を導入したところ、コロナ禍では個人旅行の足として1カ月の長期利用があった。能登半島地震後には車中泊を希望する復旧作業員の引き合いもあり、今後も同様のニーズが見込めるとみて、全国初の正規ディーラー契約を結んだ。

 このほか3月にはグローバルモータース(金沢市)が英国の二輪車メーカー「トライアンフモーターサイクルズ」の北陸初となる正規販売店を野々市市中林2丁目に開設した。

 同店で記念イベントを開催した3日間には北陸を中心に369組が来店。松井清二代表取締役は「関心の高さを感じた」と手応えを語った。

 新車だけでなく、中古車販売店も激戦区への新規出店を準備中だ。ネクステージ(名古屋市)は8月にも「ネクステージ」ブランドとして県内初となる店舗を野々市市堀内4丁目の明治北陸工場跡地で開業する。

 敷地面積約1万3700平方メートルは全国の店舗でも最大規模で、中古車約240台が並ぶ見通し。周辺にライバル店がひしめく中で、担当者は「野々市は人口が増え続けており、今後の需要が見込める」と話した。

 富山県内では、杉政貿易(富山市)が昨年9月、同市田中町にEVの専門店「E-bo(イーボ)」をオープン。米大手テスラや韓国のヒョンデ、三菱など国内外5メーカーを取りそろえ、これまでに約20台を販売した。

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