U23サッカー日本代表、カタールとのパリ五輪出場を懸けた大一番「予想スタメン&フォーメーション」! 開催国を相手に松木、藤田、山田ら“ベストメンバー”投入か

パリ五輪の出場を目指して重要な一戦に挑む 撮影:中地拓也

荒木遼太郎が「ここからが本当の戦い」と語るように、今夏に開催されるパリ五輪の出場権を懸けた大一番を、U―23サッカー日本代表が迎える。4月25日に五輪最終予選を兼ねたU-23アジアカップの準々決勝でぶつかる相手はカタール。開催国との緊張の一戦である。

グループステージ3試合を2勝1敗で終えたことで2位通過となった大岩ジャパン。4月22日に韓国代表に敗れたことで、決勝トーナメントの最初の試合はカタールに決まった。日本代表がここまでの3試合を戦ったジャシム・ビン・ハマド・スタジアムが開催場所であるというメリットもあるものの、自国を応援すべく多くのカタールサポーターが駆け付けそうで、今まではとは違った光景がスタジアムに広がりそうだ。

アジアに与えられたパリ五輪の出場枠は3.5。今大会の3位チームまではストレートでの大会出場が決まる。仮に3位決定戦(5月2日)に敗れても5月9日にフランスで開催されるプレーオフでギニアに勝利すれば五輪に出場することができる。

ただし、カタールとの準々決勝に敗れればそこで終わり。五輪出場を目指してきたこのチームの活動は終わることになる。

■関根大輝はコンディション良好と説明

この重要な一戦に、大岩剛監督はどのような先発メンバーを送り出すのか。試合前日、指揮官は「全員が試合出場ができる状態で、選手もギラギラしてます」と状態を明かしたうえで、「しっかりと見極めながら、ただ先発メンバーだけじゃ試合を決められないので、途中からどれだけチームの力を与えられるかも見ながらメンバーを決めていきたい」と語っている。

そして、前日練習となった現地時間24日のトレーニングには23人の選手全員が参加。韓国戦から中2日で迎える試合と日程的には厳しいものの、負傷離脱者はいない見通しだ。

韓国戦前日の練習を欠席し、さらに、韓国戦でウォーミングアップをしていなかった関根大輝も23日の練習からフルメニューを消化。そのトレーニング後、「2戦目まで出て多少疲れてたので、うまく休めて、今日、動いてみても完全に疲労抜けてましたし、動き自体もけっこういい」と状態の良さを説明している。

とはいえ、韓国戦で指揮官は第2戦の先発メンバーから7人を入れ替えて挑んでいる。対戦相手に違いはあれど、準々決勝を見据えての起用だったことに間違いない。その点からも、このカタール戦には現時点での“ベストメンバー”とも呼べる11人を選択するはずだ。

まずGKは小久保玲央ブライアン。第1戦、そして第2戦で先発した新守護神が2試合ぶりにゴールを守る。韓国戦では野澤大志ブランドンが先発を務めたものの、PK戦の可能性もあったことも考慮されたはず。決勝トーナメントでのPK戦に備え“情報戦”が始まっていた証でもある。

小久保自身、23日の練習後に「開催国の相手を倒して優勝する最高のシチュエーションなのかなと思うので、楽しんでやっていきたい」と話して闘争心を強めている。

■CBは高井と木村か

最終ラインは右SBに関根大輝、中央が木村誠二と高井幸大のコンビ、左SBが大畑歩夢か。両SBは韓国戦からの中2日という日程を考えれば、中5日で迎える関根と大畑を起用するか。特に関根は中国戦とUAE戦でポジティブなプレーを見せており、最終ラインの安定と右サイドの崩しに大きく貢献してくれそうだ。

今大会の招集メンバーで本職CBは4人いるが、西尾隆矢がこの準々決勝まで出場停止。CBにおいてはここまでの実質4試合を3人で守ってきた。ローテーション的に考えれば高井と木村の可能性が高い。高井は高さを生かして相手のボールをはね返し続け、最後の粘り強さでもチームに多くのものをもたらしている。この一戦でも、大いに期待できそう。

中盤中央は松木玖生、藤田譲瑠チマ、山本理仁の3人が濃厚だ。右サイドには山田楓喜、左サイドには佐藤恵允が入るか。ただし、左は中2日ではあるものの平河悠の可能性もある。

佐藤は、試合を翌日にひかえた24日、「正直、今まで10番としての仕事も何も果たせないと思うので、そういう意味でも自分は明日の試合がラストチャンス思っている。日本の代表として誇りを持って戦いたい」と強い気持ちを見せている。

松木玖生も同様で、「絶対に勝つ」という気持ちで試合に挑むことを明かしており、山本理仁は「同じ方向性を見るために」、チームメイトに呼びかけたという。

山田楓喜は今大会2試合に出場して得点に絡むなど絶好調にある。さらにその左足から放たれるキックの精度とアイデアは日本の武器で、セットプレーにも期待がかかる。山田楓自身、「セットプレーは自分の調子を上げてくれるもの」と語るほどで、韓国戦とは逆の“一発”もありうる。

■選手が口にする冷静な戦い方

センターフォワードは細谷真大か。このU―23アジアカップ、そして、そこに至る国内での2試合において最前線の選手が決めたゴールはゼロ。細谷真大、藤尾翔太、内野航太郎が送り出される中で無音が続いている。

細谷は第1戦で先発し、第2戦では後半29分から、第3戦では後半32分からの途中出場となっている。今大会4試合目の出場で得点を奪えるか。

この11人を予想した一方で、この試合で重要な要素となるのが冷静な戦いをできるかだ。カタールのここまでの試合を見て審判の笛を意識する選手もいれば、日本がここまで戦った3試合を振り返ってのフラストレーションを口にする選手もいる。

大畑歩夢が「本当に冷静にやらないといけない」と話せば、関根大輝も「UAE戦は僕も試合に出て本当にストレスがたまるのは正直感じたので、でもそこでイライラしても判定は変わらないですし、そういうところは本当に落ち着いて、文句も言わせないような得点を取れば、ゴールはしっかり認められる」と説く。

大岩ジャパンが大観衆を黙らせることができるか。日本時間の午後11時にキックオフとなる。

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