日本球界今オフを襲うポスティング地獄…“予備軍”もゴロゴロ、空洞化ますます加速

山崎伊織(C)共同通信社

中日の小笠原慎之介(26)が2024年のシーズン終了後にポスティングされる可能性があると一部で報じられている。

チームでは主力でも、タイトルとは無縁。通算42勝55敗だから、全体で見れば中堅どころだ。「そんな選手でも、こぞって『メジャーへ行きたい』と言い出している。12球団のフロントはみんな頭を抱えていますよ」とは、さる球界関係者。(【前編】からつづく)

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今オフは日本球界から流出ラッシュが予想される。

最速165キロの剛腕・佐々木朗希(22)、昨季のセ・リーグ本塁打王・岡本和真(27)、22年のセ三冠王・村上宗隆(24)といった昨年のWBCで侍ジャパンを世界一へと導いた主力たちが、ポスティングを使ったメジャー移籍を目指している。そんな日本球界を代表する選手以外も、どんどん流出する可能性があるとすれば、日本球界が空洞化する危機的状況だ。

そんな中、「メジャー予備軍」がゴロゴロいるのが巨人である。

昨年のWBCで世界一になった後、侍ジャパンのメンバーだった今季の開幕投手・戸郷翔征(24)が「メジャーは昔からずっと行きたくて、今でも行きたくて……。夢ですね」と言えば、守護神の大勢(24)も「メジャー志向? 芽生えました。正直、カッコ良かったし、メジャーに呼ばれる投手になりたい」とキッパリ言っているのだ。

「この日、小笠原と投げ合って2勝目を挙げた昨年10勝の山崎伊織(25)にしても、まだ4年目ながら、メジャ──志向があって周囲に憧れを語っているとか。入団以来、オフは同じ東海大出身で元エースの菅野智之(34)に弟子入りしているため、メジャー志向が強かった先輩の影響を受けている可能性がある。巨人では岡本和、戸郷、大勢に続く予備軍。メジャー志向を持つ選手が多いため、巨人戦にはメジャーのスカウトが視察に訪れています」(前出の関係者)

昨オフは山本由伸(25=ドジャース)、今永昇太(30=カブス)、上沢直之(30=レッドソックス傘下3A)が海を渡った。昨季の年俸が6億5000万円だった山本は、ドジャースでメジャー投手最高額となる12年総額465億円の超大型契約を手にした。今永も昨季の1億4000万円から4年総額77億円。日本とはケタ違いの条件を目の当たりにすれば、流出が加速するのも当然だ。今オフも日本の複数球団が「ポスティング地獄」に追い込まれそうである。

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