巨人と首位・阪神の決定的な違い 投手力は1位も…課題解決に必要な実績組の奮起

中日戦で指揮を執った巨人・阿部慎之助監督【写真:矢口亨】

巨人はここまで9試合連続2得点以下、本塁打も8試合連続なしと得点力不足が課題に

■中日 3ー2 巨人(24日・東京ドーム)

またも打線が奮わなかった。巨人は24日に行われた中日戦(東京ドーム)に2-3で敗戦。これで9試合連続2得点以下と、打線が繋がらず3位に後退した。野球評論家の新井宏昌氏は「実績組の奮起がなければ、そう簡単に得点は生まれない。課題は明確」と、波に乗れない深刻な得点力不足を口にした。

今の巨人に得意なはずの“空中戦”は期待できない。2点を追う2回には1死一塁から萩尾の適時三塁打、続く岸田の右犠飛で同点に追いついたが、その後はスコアボードに「0」が並び接戦を落とした。チーム防御率1.82は首位・阪神を上回る数字を残しているが、54得点は中日に並びリーグワースト。チーム打率.224(リーグワースト)ながらリーグトップの72得点を挙げる阪神とは対照的だ。

本塁打は8試合出ておらず、3点目が遠い巨人打線に新井氏は「東京ドームの特徴(狭い)を生かした攻撃は現状、望めない。若い選手たちがある程度の数字を残しているが、実績のあるクリーンアップが引っ張らないといけない」と指摘する。

4番の岡本は打率.310、13打点(リーグ3位タイ)、4本塁打(リーグ4位タイ)と好調を維持しているが、前後を打つ坂本勇、丸は打率2割前半で、得点圏打率も1割台と低迷。「坂本も現状を打破しようと積極的に仕掛けているが、ボール球に手を出し空回りする場面が見られる」と、まだ本来の姿にはほど遠いのが現状だ。

1軍登録メンバーを見ても主力を欠いているわけではない。本来なら長打を見込める助っ人に期待したいところだが、メジャー通算178本塁打のオドーアは開幕を待たず退団。日本人野手でも開幕1軍を逃した秋広はファームで0本塁打と“起爆剤”は見当たらない。

この日は先発の赤星が7回3失点(自責2)の粘投も2敗目を喫した。岸田が7回に三塁へ牽制悪送球で決勝点を献上したが「リードの広い三走を刺すため。本能的に捕手はベース上に投げる。攻めた結果なので責められない」と、1安打1打点と打撃で貢献した27歳捕手をかばった。

4月は14日に6連勝を飾るも、その後は連勝がなく4位・広島とのゲーム差は0.5、5位・DeNAも1.5と迫っている。門脇、萩尾、オコエら若手が台頭しつつあるが、これまでチームを背負ってきた“実績組”の奮起に期待したいところだ。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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