若者の活字離れ本当? 広島県立図書館 貸出数が過去最多 子ども向け科学本や電子書籍が人気 2023年度

児童向けの本が充実している子どもサイエンスライブラリー

 広島県立図書館(広島市中区)の2023年度の本の貸出数が25万冊を超え、30年ぶりに過去最多となった。子ども向けの自然科学の本をそろえたコーナーの人気や、電子書籍の利用が前年度から倍増したのが主な要因。24年度は児童図書を市町の図書館に貸し出すことで、より多くの利用を促す。

 23年度の貸出数は前年度より約3万冊多い25万149冊。これまで最多だった1993年度の24万742冊を上回った。このうち児童図書が最多の9万9558冊で、個人への貸出数の過半数を占めた。

 背景には同館が22年7月に設けたコーナー「子どもサイエンスライブラリー」の人気がある。館内の一角をカーペットに座ってくつろげる空間にし、動物や恐竜、天文学などの図鑑や関連本をそろえたところ、子どもの利用が増えたという。

 20年7月に導入した電子書籍も年々伸び、23年度は前年度の2倍の1万2334冊の利用があった。約4割が中高生による利用だった。司書が選んだ本のセットを学校図書室などへ貸し出す団体貸し出しも過去最多の6万559冊に上った。

 同館はより多くの人に利用してもらおうと、今年7月からサイエンスライブラリーにある児童図書とともに天体模型や恐竜のぬいぐるみなどをセットにして全23市町の図書館に貸し出す。安部ほずみ館長は「県全体で本に親しめる環境を充実させたい」としている。

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