「目指すものがない」と高校生 “消滅可能性自治体”長野県26市町村 若い女性が半減…市長「やれる対策は何でも」

有識者でつくる「人口戦略会議」が、2050年までに消滅する可能性がある全国744の自治体を公表した。長野県内で該当したのは飯山市・大町市を含む26市町村。飯山市長は「しっかり受けとめて、やれる対策は何でもやっていく」としている。

全国の4割超の744自治体

「消滅可能性自治体」は、人口減少問題への関心を高めてもらおうと有識者でつくる会議が公表したものだ。

定義は2020年から50年までの30年間で、出産の中心世代となる20代と30代の女性が半数以下に減少する見込みの自治体で、全国の4割を超える744自治体が「消滅可能性自治体」となった。

県内は26市町村が該当

県内では、飯山市、大町市を含む26市町村が該当。北信の他、木曽地域、下伊那地域で目立つ。

10年前の分析では34市町村が該当したが、下諏訪町や小布施町など13町村は若い女性の減少率が改善して「脱却」した。

一方、阿南町や大桑村、小川村など5町村は今回から該当した。

若い女性の減少率が20%未満で、「自立持続可能性自治体」とされたのは、移住が好調な南箕輪村と原村の2つの村だった。

高校生「目指したいものがない」

前回に続いて「消滅可能性自治体」となった飯山市。若い女性の減少率も10年前より悪化しているとされている。

飯山市の江沢岸生市長は「非常にショッキングな言葉を使っていますけど、しっかり受け止めてどう対処していくかが大事。(人口の)自然増も含めてやれる対策はすべてやっていかなければ」と述べた。

一方、飯山市民は「困りますね、市民としては」、「人が少ないので自治体が動かなくなるので仕方ない」、また、県外へ進学を考える高校生は「目指したいものがここにない、一番はそれ」と話した。

「時代の流れ、働き場所があれば」

小川村は、今回から「消滅可能性自治体」になった。

村民は「時代の流れだから、村内にいい働き場所があれば魅力になる」と話す。

県の人口も、2024年2月に50年ぶりに200万人を割り込み、2050年には158万人まで減少すると推計されている。

人口戦略会議は、「今後の人口減少対策を検討する上で参考にしてほしい」としている。

今回の報告書で「消滅可能性自治体」とされた長野県内の自治体は以下の通り。

【長野県】
大町市、飯山市、小海町、佐久穂町、立科町、長和町、阿南町、阿智村、平谷村、天龍村、上松町、南木曽町、王滝村、大桑村、木曽町、生坂村、筑北村、小谷村、坂城町、高山村、山ノ内町、木島平村、信濃町、小川村、飯綱町、栄村

(長野放送)

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