能生白山神社春季大祭 舞楽・お走り 伝統を今に 「陵王」堂々と舞う

悠然とした舞で存在感を放つ「陵王」

能生白山神社(糸魚川市能生、佐藤英尊宮司)の春季大祭が24日、同神社で執り行われ、伝統の舞楽奉納やみこしの「お走り」などが大勢の見物客を魅了した。

能生地域の春の一大行事。国指定重要無形民俗文化財の舞楽は15世紀に大阪・四天王寺から伝承したとされ、さまざま稚児舞やトリを飾る「陵王」など計12曲で構成されている。

同日は朝方に小雨がぱらつくなど不安定な天候が心配されたが徐々に持ち直し、午後からの「お走り」は晴れ間が差し込む中で行われた。担ぎ手がみこしを上下に揺らし、駆け出す構えをしては中断する〝じらし〟を何度も繰り返した後、「ヤァー!」というかけ声を合図に勢いよく境内を駆け回って観衆を沸かせた。

その後は、奉納済みの獅子舞を除く11曲の舞楽を舞台で奉納。再びどんよりとした曇り空となったが、稚児らの優美な舞は惜しみない拍手を浴び、クライマックスの「陵王」は堂々とした舞でひときわ存在感を放った。

家族で訪れた能生地域の女性(74)は「天気がちょっと心配だったが、勢いのあるお走りも、優雅な舞も見れた」と声を弾ませた。

みこしの「お走り」の様子。〝じらし〟を経て、3基のみこしと担ぎ手たちが勢いよく境内を駆け回った

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