与野党一騎打ちの島根1区補選、方程式はどうなる?今後の投票行動を変えるかも?選挙ドットコムちゃんねるまとめ

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2024年4月20日に公開された動画のテーマは「与野党一騎討ち!衆院島根1区補選!」

4月28日に投開票を迎える衆院島根1区の補選の情勢や背景について、日本大学教授の西田亮介氏(社会学者)、ライターの平河エリ氏に解説していただきました。

今回の衆院補選で実施する特別コンテンツもご紹介します!

【このトピックのポイント】
・衆院島根1区補選、序盤の情勢は
・今回の補選、地元の関心はどこに
・両立候補者の人柄や政策ポイントを整理

衆院島根1区補選、序盤の情勢と構図を解説

衆院島根1区補選の立候補者は、この2人です。

錦織 功政氏(新・自民党、公明党推薦)
亀井 亜紀子氏(元・立憲民主党、共産党支持)

島根1区は、政治とカネの問題で一番注目された選挙区のひとつ。細田前衆院議長の死去に伴い、今回の補選となりました。

平河エリ氏は序盤の情勢を、「元職が出ているということで、一定以上野党が浸透している」「もろもろの自民党の不祥事が、島根県内でダイレクトに逆風になっている印象」と解説。「保守王国島根1区も、自民党にとっては厳しい戦い」とまとめます。

MC伊藤由佳莉「現状では、自民党がだいぶ苦戦するという状況がうかがえます」

西田亮介氏は、「唯一の与野党一騎打ちの構図の中で、勝っても負けても許容できるギリギリのところが『1』という数字」「3つある選挙区の中で勝つに越したことはない、負けても許容せざるを得ない。明確に負けきったという印象を与えないことが重要」と、自民党の思惑を推し量ります。

その上で、選挙の背景となった細田氏が、さまざまな疑惑を持ったまま表舞台から退場した中、立憲民主党にとっても負けられない戦いであると構図を説明。

西田亮介氏「立憲民主党にとっては、ここで勝てば『勝った』印象を強く与えられる。信任を得て、広く今後来るべき選挙に伝えられることは確実。言い方を変えれば、自民党にとっては『できれば落としたくない』」

平河エリ氏「亀井さん、強い候補ではあると思うんですよね」

亀井氏の初当選は2007年参院選(当時、国民新党)。自民党の重鎮である現職を破っての当選でした。平河氏は、亀井氏がこれまでも衆議院で議席を1回得ていることを含め、「総合的に山陰の中では野党が強い候補のひとり」と述べ、「地力が試される選挙区」と評します。

島根1区、地域はどう動く? 争点は

情報社会学を専門とする西田氏は、国政イシューと地元での感触の違いを掘り下げます。

西田氏「地元での関心の程度はいったいどうなんでしょう。全国で見た時には政治とカネの問題はけしからんという人が多く、そのことが内閣支持率や政党支持率に効いていると考えられます。でも、小選挙区では、選挙区での雰囲気や空気感も大事になってくるでしょう」

平河氏は「一般的な関心度+自民党での関心度が重要」と説明します。

そうした中、まだ現地には行けていないとしながらも、自民党員の中でも「今回は(自民に)入れられないよ」という声があること、これまで細田さんに入れてきた層も、今回は「(自民党には)投票しない」「野党候補に投票する」という声が少なからずある、という話を聞いていると語ります。

その背景には、前回、細田氏は体調不良で出馬しないという声もありながら、結局は出馬したという事情を紹介。体制として、引き継ぎができない形になっているという懸念を伝えます。

西田氏「そうすると、ライトな支持層は投票離れや、ペナルティ的に野党に、ということもある?」

平河氏「おっしゃるとおりです」

平河氏は、今回が補欠選挙のため、投票率が低い可能性があることにも言及します。一般的に、投票率が低い時は組織を固めた自民党が強いというのがこれまでのパターンでしたが、「今回、方程式はどうなるか」。

西田氏「不確実性がどこも高い。従来の経験値や基礎的なデータから推し量れない」

MC伊藤由佳莉「(与野党一騎打ちという状況は)政策論争の意味でも成立しやすい状況でしょうか?」

錦織さんは政治改革の内容をウェブサイトにまとめていたり、亀井さんは裏金問題を激しく追及していますが、解説陣の二人は首をひねります。

平河氏「錦織さんは財務省にいて政治経験は初めて。弁舌さわやかに、そこをうまく丸め込んでいる印象は今のところない。苦戦するというか、批判もしづらいし、さりとて言わないわけにいかないし……」

西田氏「官僚として求められるものと、政治家として求められるものはおそらく違うはずですから……」

ほかの政策分野では、両候補者ともインフラや農林水産分野も公約に掲げています。

MC伊藤由佳莉「地域特性が見られるんですが……」

この点についても、解説陣は首を傾げます。

西田氏「現実には個々の政治家が具体化できる政策の幅は限られている。島根は、行ったかたはご存じだと思いますが、大変インフラがなぜか充実している。道路の幅は広いし、車線の車線、多くないかな?」

平河氏「和歌山とか島根とかね」

西田氏「保守王国と呼ばれているところは、なぜかそういう傾向にあるんですよね」

平河氏は、亀井氏の父親(亀井久興氏・元国土庁長官)の血統と、亀井氏自身が自身を「保守」と評したことに触れ、「自民党っぽいやり方をしながら選挙戦を戦う、インフラ(の政策)もそのひとつなのかな」と予想します。

候補者の人となりは?そして島根1区補選の見どころは

今回、選挙ドットコムでは候補者の政策や人柄を広めることを目的に、「候補者タイムショック」という企画を実施しています。

「候補者タイムショック」は、すべての立候補者に選挙ドットコムから提出を依頼しています。今回の動画収録日(4/18時点)では、亀井氏の動画だけが間に合いましたので、紹介しています。

それでは、亀井亜紀子氏の「候補者タイムショック」をご紹介します!

・推しの政策(ワンイシュー):学校給食のオーガニック化
・自分を動物に例えると:亀
・好きな漫画は:ディズニー作品
・好きな映画は:サウンド・オブ・ミュージック
・当選したら食べたいもの:特注ケーキ
・選挙で大事なモノは:体力と信頼
・カラオケの十八番は:薬師丸ひろ子(声が似ているといわれます)
・趣味は:ピアノとスキー
・尊敬する偉人は:ネルソン・マンデラ

平河氏「『サウンド・オブ・ミュージック』の発音がよかったですよね。元々、通訳やっていらしたんですよね。

西田氏「留学経験もあって」

一問一答の動画で紹介し尽くせない政策や人となりは、亀井氏の公式サイトや街頭演説などで、ぜひ深掘りしてください。

一方の錦織氏からは、選挙ドットコム編集部から動画の提供をお願いしましたが、「スケジュールの関係で撮影が難しかった」とご連絡をいただいております。今回は、公式サイトのプロフィールから、人となりを探ります。

錦織氏の生まれは松江市。公式サイトには、子どものころや学生時代の写真が飾られます。

趣味は釣りと、ラーメンなどの麺類の食べ歩き。

ラーメン食べ歩きについてはTikTokに掲載されているのだそうです。

西田氏「ほんとに霞ヶ関を体現されているようなお写真が多いですよね」

平河氏「ふつうの感じのかたですよね。すごく真面目にやってこられたかたなんだなと。」

最後に、解説のお二方に今回の島根1区補選の見どころを伺いました。

平河氏「与野党対決ということもあり、自民党支持層がどういう行動をするのか。投票するのかしないのかも含めて極めて重要な選挙区。ここで自民党が負けると不戦敗を含めて3敗。岸田政権の運営にも関わってくる」

西田氏は、ふたたび空気感に着目します。

西田氏「選挙の行く末は、データだけでなく雰囲気や空気感も影響すると思うんですね。これからの大きな政治の流れがどこに転んでいくのか、与野党直接対決で影響を与えるのではないか」

西田氏は、「人々の多くは政治とカネの問題を許せないと思った上で、どうなるのか。強い意志はそんなに多くの人にないと思う」と置いた上で、「(全国のほかの有権者が)投票行動の参考にするだろうひとつに、今回の島根1区補選がある」と語りかけます。

西田氏「投票に行く行かないが左右される時、参考にする要素として、震源地のひとつである、島根1区の結果が参照される」

「与党候補が勝てば、島根の有権者が与党候補でいいと思ったんだろうなと思うだろうし、野党候補が勝てば震源地では許せない、そのこと自体が、今後の投票行動に何らか影響するのだろうという意味で、全国が注目する選挙区ではないか……」と西田氏は解説します。

今回の結果が解散総選挙に影響する可能性もじゅうぶんにありえます。

島根1区のみなさん、今後の政局の震源地となる今回の補欠選挙に、ぜひ参加してください。

平河・西田・MC伊藤「みんなで賑やかそう!」

動画本編はこちら!

中央のイシューと地方の論理のはざまで島根1区はどうなる?

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衆院3補選の開票特番を4月28日(日)19:50~開催します!是非ご覧ください!

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