ライオンズとWRセント・ブラウンが4年187億円契約延長で合意

デトロイト・ライオンズのアモン-ラ・セント・ブラウン【AP Photo/David Dermer】

“太陽神”の愛称を持つ選手が、これからもデトロイトで輝き続ける。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが情報筋の話を元に報じたところによれば、ワイドレシーバー(WR)アモン-ラ・セント・ブラウンとデトロイト・ライオンズが4年の契約延長に合意し、2028年シーズンの終わりまでチームにとどまることになったという。

ラポポートによると、この契約延長により、セント・ブラウンが新たに獲得するのは1億2,000万ドル(約186億5,526万円)相当になり、7,700万ドル(約119億7,045万円)の保証金が含まれているという。

4年の契約延長で年平均3,000万ドル(約46億6,440万円)以上を稼ぐセント・ブラウンは、年平均額では最も高額なワイドレシーバーとなる。ブラウンの保証額7,700万ドルは、ロサンゼルス・ラムズのWRクーパー・カップの保証額7,500万ドル(約116億5,953万円)を抜いて、全ワイドレシーバー中最高額だ。

セント・ブラウンの契約延長が行われたのは、ライオンズがオフェンシブタックル(OT)ペネイ・スウェルを、年俸ベースではNFLで最も高額なオフェンシブラインマン(OL)にする契約を結んだのと同じ日であり、ライオンズとスウェルは4年1億1,200万ドル(約174億676万円)、うち8,500万ドル(約132億1,048万円)が保証される契約延長で合意したと、『NFLネットワーク』のマイク・ガラフォロが報じている。

2021年ドラフト4巡目指名のセント・ブラウンは今、契約最終年に予定されていた基本給336万6千ドル(約5億2,330万円)の新人契約を大きく上回っている。

ルーキーながら即座にライオンズのナンバーワンレシーバーとなったセント・ブラウンは、その後、シーズンを重ねるごとにその地位を高めていった。南カリフォルニア大学(USC)出身のセント・ブラウンは、これまでの3シーズンでプロボウルに2回選出され、2023年にはオールプロのファーストチームに選ばれており、キャリア通算で3,588レシーブヤード、タッチダウン21回をマークしている。

ダイナミックなプレーメーカーであるセント・ブラウンは、2023年に新たな高みへと駆け上がった。レシーブ119回で1,515ヤード、タッチダウン10回という、すべてキャリア最高となる成績を残したセント・ブラウンは、ライオンズが30年以上ぶりにポストシーズンで勝利を収め、1993年以来となる地区優勝を果たすことに貢献している。

クオーターバック(QB)ジャレッド・ゴフがプレーを必要とするたびに、セント・ブラウンが現れては空いたスペースを見つけ、空中で回転するボールを見事にキャッチしていた。

ゴフとライオンズがセント・ブラウンに寄せる信頼を示す好例が、今年1月のワイルドカードラウンドゲームにあった。ライオンズがラムズに対する1点リードにしがみつき、2ミニッツウオーニング後の第2ダウン残り9ヤードに直面したとき、ライオンズはただ単にボールを走らせてラムズに最後のタイムアウトを消費させることはしなかった。その代わりに、ゴフはドロップバックし、スロットからのカムバックルートを走るセント・ブラウンにパスを通し、11ヤードを獲得して、試合を決定づけた。セント・ブラウンがこのパスをキャッチし損ねていたら、ラムズはまだ試合を続行できただろう。むしろ、セント・ブラウンはライオンズの32年ぶりのプレーオフでの勝利を確実なものにした。

「アモン-ラ・セント・ブラウン、デトロイト残留決定」

正確にルートを走るセント・ブラウンは、ディフェンダーを貪欲にかわし、ゴフがパスしやすいターゲットになれる。しっかりとしたハンドリングスキルを持つセント・ブラウンは、ボールを落とすことがほとんどない。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、2023年にセント・ブラウンがボールを落としたのはわずか2回で、落球率は1.2%であり、これは125回以上のターゲットになったワイドアウトの中で最も低い数値だという。すべての面で完成されているセント・ブラウンは、あらゆるレベルで勝てる選手であり、ランアフターキャッチの能力も高い。

あらゆる指標から見ても、セント・ブラウンはその大幅な昇給に値する。新しい契約は、セント・ブラウンの報酬を適切に同世代のトップ選手たちのレベルに引き上げた。

1 億2,000万ドルの契約延長により、セント・ブラウンは新たに年間3,000万ドルを受け取り、年俸額でワイドアウトのトップに位置するマイアミ・ドルフィングズのWRタイリーク・ヒルに並ぶ。2024年に受け取る予定の336万6,000ドルを含めると、セント・ブラウンは、今後5シーズンにわたって年平均2,467万ドル(約38億3,505万円)を稼ぐことになる。

トップワイドレシーバーとの契約額が高騰し続ける中、ライオンズが今、セント・ブラウンを確保したのは賢明な判断だった。ジャスティン・ジェファーソン(ミネソタ・バイキングス)、ジャマール・チェイス(シンシナティ・ベンガルズ)、シーディー・ラム(ダラス・カウボーイズ)、ブランドン・アイユーク(サンフランシスコ・49ers)など、新たな契約を控えたトップレシーバーが多く存在しており、このポジションのコストはさらに上昇するだろう。

セント・ブラウンは、長年の敗者としての泥沼からライオンズを救い上げる上で重要な役割を果たした。新たに契約を延長したことにより、“太陽神”と称されるセント・ブラウンが、フランチャイズ史上初のスーパーボウル出場を目指すライオンズの戦いをこれからも支えることが保証される。

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