バス代の値上がりで、子どもの通学費用が「月2万円」にアップ! 節約のために「片道1時間」を自転車通学してもらうのはキツイでしょうか…?

バス通学、自転車通学のメリット・デメリットとは

まず、バス通学と自転車通学に関して金銭面以外のメリット・デメリットを整理します。快適性・通学時間・事故のリスク・その他の項目に分け、図表1のようにまとめました。

図表1

筆者作成

バス通学・自転車通学ともに一長一短ありますが、万が一、交通事故が発生した場合のリスクは、一般的に自転車通学のほうが大きくなることに注意が必要です。自転車通学を行う場合は交通ルールを十分に順守し、安全運転を心がけましょう。

バス通学と自転車通学にかかる費用を比較

ここでは、高校生活3年間にかかるバス通学費用と自転車通学費用をシミュレーションし、比較してみます。バス通学にかかる費用(定期代)は「月2万円」とします。これは千葉県の路線バスを参考にすると、片道500円、約10キロの区間にかかる価格に相当します。自転車であれば、約1時間程度かかる距離です。

自転車通学に関する費用に関しては、自転車専門店「サイクルベースあさひ」の料金表、「楽天損保」の自転車保険料金を参考にして算出します。

使用する自転車は、高校生の通学の用途で選ばれることも多い「フロレスタファミリー」という機種(本体価格1万5000円~3万円程度)を想定します。自転車のメンテナンスや修理の頻度・回数については、片道6~7km・40分程度の自転車通勤を10数年間続けている筆者の実体験をもとにしています。

__バス通学:2万円×36ヶ月(3年間)=72万円
自転車通学:約10万8880円~約12万8880円(図表2を参照)
差額:約59万1120円~約61万1120円__

図表2

筆者作成

図表2のモデルケースでは、自転車通学を選択した場合は、バス通学の場合よりも3年間で59万円以上が節約できるという結果になりました。このシミュレーションは通学のみに自転車を使用した場合ですので、通学以外の移動にも自転車を活用できれば、それ以上の節約効果が期待できます。

また、自転車での移動は適度な有酸素運動になり、健康面でのメリットがあることも見逃せません。

自転車通学をする場合は、必ず自転車保険に加入しましょう

忘れがちですが、自転車通学・通勤をする人が家族にいる場合は、必ず自転車保険に加入しておきましょう。

自転車による事故で、学生を含めて多くの人が大けがをしたり死亡したりしているほか、自転車に乗っている人が無事でも、歩行者などに自転車がぶつかったため相手に重い障害が残り、9000万円以上の賠償金支払い義務が発生したなどの事例もあります。自転車通学をする場合、万が一のリスクに備えての保険加入は必須といえるでしょう。

まとめ

高校生のバス通学と自転車通学について、金銭面を含むメリット・デメリットを整理しました。自転車通学をしたとすると、モデルケースの場合はバス通学とくらべて3年間で約59~61万円の節約になるという大きなメリットがあります。

ただし、通学中の安全性や快適性、万が一事故が起きた場合のリスクなどについては十分にお子さんと話し合い、納得の上で自転車通学の提案をしてみましょう。

出典

サイクルベースあさひ 総合サイト 自転車修理工賃
楽天損保 自転車保険「サイクルアシスト」

執筆者:山田圭佑
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント

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