コロナの補助金だまし取った岩手・雫石町の温泉旅館元社長ら3人の初公判 いずれも大筋で詐欺を認める

新型コロナの拡大を受けて国が設けた補助金をだまし取ったとして起訴された岩手県雫石町の温泉旅館の元社長ら3人の初公判が25日、盛岡地裁で開かれました。

詐欺の罪に問われているのは雫石町にある鶯宿温泉の「長栄館」の元社長で、盛岡市南大通の照井貴博被告(37)ら3人です。起訴状などによりますと、照井被告は雫石町内の食品会社役員・福岡加奈子被告(48)と宮城県大崎市の元会社役員・大沼孝晶被告(41)と共謀し、2022年2月上旬から去年2月上旬までの間に、新型コロナの影響を受けた生産者を支援する農林水産省の補助金の制度を悪用し、事業を請け負う東京の広告代理店から補助金約5000万円をだまし取った罪に問われています。盛岡地裁で開かれた初公判で、3人はいずれも詐欺については大筋で認めたものの、照井被告以外の2人が共謀を否認しました。

照井被告は「自分のした行為は認める。2人を巻き込んでしまった」と主張しました。共謀について福岡被告は「共謀ではありません」と否定。大沼被告は「補助金が交付される段階では詐欺と知っていた」と詐欺を認めた上で弁護士が共謀を否認しました。照井被告と福岡被告は3月29日に別の補助金をだまし取ったとして詐欺の罪で追起訴されています。

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