金高騰で防犯・苦渋の決断 佐渡金山「金塊取り出し」体験が中止に【新潟・佐渡市】

「金塊取り出し」体験が中止に

4月11日、東京・日本橋の「高島屋」で販売価格が約1000万円の純金の茶碗が盗まれる事件がありました。価格高騰を背景に、金を狙った犯行の増加が懸念されています。

佐渡金山では、人気の展示の金塊の取り出し体験が防犯のため27日から中止されることになりました。
佐渡金山の展示室の一角に設置されているケースの穴から金塊を取り出せるか挑戦する体験。25日は地元の中学生が挑んでいました。

■中学生
「重くて取りにくかったです。」
「片手じゃ無理だとわかってたんですけど、想像以上に重くてびっくりしました。」

重さ12.5kgの純金。佐渡金山の名畑課長は、コツを知っていて2回に1回は取り出せるといいますが…
■史跡佐渡金山 名畑翔課長
「ダメですねて、4月25日無理です!やっぱりここが一番盛り上がる場所。」

2001年の設置以来、多くの挑戦を受け止めてきた金塊。その歴史が傷やくぼみになって刻まれています。25日までに成功は3300人余りに上ります。半面、それは、もし万が一、悪意がある人物が成功したら持ち去られる恐れがあるということになります。金の価格高騰を背景に懸念される犯行。

佐渡市でも、かつて実際に地元の金が狙われました。2017年、市内の博物館に展示されていた金塊を盗んだ男2人が逮捕されました。しかし盗まれたのは実はレプリカ。5万円相当のものでした。

一方、取りだし体験の金塊は純金。今は時価1億5千万円に上ります。東京の事件を受けて不安の声が上がり、中止が決定。来場者の急増が見込まれるゴールデンウィークの初日27日からは、ケース内で触れる体験に限定することになりました。

■史跡佐渡金山 名畑翔課長
「セキュリティ対策を増設しながら今まで継続していたんですが、ちょっと厳しいと。」
■金山ガイド 斎藤本恭さん
「ほとんどどの人がここに来られると挑戦しているように思われるので、ちょっと寂しい思いがしますね。」
■観光客
「想像以上に重かったですね。」
「1億5千万…すごいですね、もう1回触っておこう。」

観光シーズンの本番を前に苦渋の決断となりました。

© 株式会社新潟テレビ21