将来は歌舞伎俳優になりたい! 養成所の研修の内容は? 年収はどのくらい?

歌舞伎の養成所は「国立劇場養成所」

歌舞伎の養成所は、「国立劇場養成所」です。東京都にあり、歌舞伎俳優を育てる日本唯一の養成所として知られています。歌舞伎はもちろん、大衆芸能や能楽、文楽なども学ぶことができます。

歌舞伎界を代表する先生から直接指導が受けられるため、実践的な技術を学べるのが特徴です。歌舞伎業界で活躍している約3分の1が養成所で研修を受けています。一般家庭の方が歌舞伎の道に進むには、欠かせない場所だといえるでしょう。

入所試験

国立劇場養成所に入るためには、各試験に合格しなければなりません。試験内容は、作文、実技試験、面接です。なお、応募資格があるのは中学校卒業(卒業見込み含む)以上から23歳以下の男性です。

入所後の学び

養成所に入ったら2年間の研修期間で歌舞伎の実技などを学びます。研修時間は、平日の午前10時から午後6時までです。なお、日本芸術文化振興会によると、「研修開始後8か月以内に適正審査を実施し、研修継続の可否を判断します。」としており、この点からも一般家庭からの歌舞伎俳優への道は険しいものであることがうかがえます。

研修終了後

研修が終わると、「名題下(なだいした)」として10年ほど修行します。名題下は歌舞伎の中の一番下の階級で、歌舞伎俳優として舞台に立つことはできますが、セリフがなかったり出演時間が短かったりすることが多いです。

その後一人前として認められるためには、名題になるための「名題試験」に合格しなければなりません。この試験に合格したうえで、先輩方やご贔屓など、あらゆる関係者に賛同を得ることが必要になります。

歌舞伎俳優の年収

歌舞伎俳優の年収平均は1132万円で、平均年収推移は980万円~1320万円、トップクラスになると、歌舞伎俳優の出演料は500万円~700万円といわれています。知名度が高くなるとテレビやCMに出演することもあるため、中には1億円以上稼いでいる方もいると考えられます。

普通クラスの歌舞伎俳優の年収は450万円~1000万円以下程度で、部屋子の場合はお小遣い程度といわれています。

一般家庭からでも歌舞伎俳優は目指せる

一般家庭の方が歌舞伎俳優になるには、養成所に入って研修を受けるのが近道です。ただし、誰もがなれるわけではありません。長く険しい道のりが続くので、本気で歌舞伎俳優を目指したい場合は覚悟を持って挑みましょう。

出典

独立行政法人日本芸術振興会 研修生募集 歌舞伎俳優研修

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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