Morfonicaは倉田ましろ、桐ヶ谷透子、広町七深、二葉つくし、八潮瑠唯の5人が所属する「BanG Dream!（バンドリ！）」発のガールズバンド。彼女たちはお嬢様学校である月ノ森女子学園に在籍しており、ほかのバンドとは違ってキーボードの代わりにバイオリンを演奏するのが特徴的だ。

本公演は今までとは一味違うMorfonicaのダークな部分が垣間見えるライブとなった。本稿ではそんなライブの模様をお届けする。

■出演者（敬称略）

Morfonica
進藤あまね（倉田ましろ役）
直田姫奈（桐ヶ谷透子役）
西尾夕香（広町七深役）
Mika（二葉つくし役）
Ayasa（八潮瑠唯役）

公演の開始とともに流れるのはライブのオープニングムービー。普段は白色を基調としているMorfonicaの衣装がダークに染まっているのがとても印象的。衣装と相まって、キャラクター1人1人もどこか「怖い」という印象を受けた。

そんなムービーとは裏腹に、開幕披露されたのは「ハーモニー・デイ」。曲調が明るく、背中を押してくれるような歌詞が特徴的な楽曲だ。その後「ブルームブルーム」「メランコリックララバイ」を立て続けに披露。「メランコリックララバイ」ではメンバーと観客が一体になって踊り、会場を盛り上げていく。

続けてつくし（mikaさん）が会場にクラップを促すと、ましろ（進藤さん）から新曲というワードが。ましろが七深（西尾さん）にバトンパスするとベースの演奏から始まり、新曲「両翼のBrilliance」を披露する。前曲までの優雅で楽しい雰囲気から、力強くかっこいいMorfonicaを前面に出した楽曲に会場のボルテージが上がっていく。

曲の終わりとともにステージの幕が下り、映像が映し出される。映像では、スマートフォン向けゲーム「バンドリ！ ガールズバンドパーティ！」・アニメ「BanG Dream! Morfonication」内で5人が会話している様子が流れた。クリスマスを楽しむ姿、水着を着て遊ぶ姿など幸せそうなMorfonica5人が描かれていた。しかし、だんだんと流れている音楽が不協和音に変わり、幸せそうな姿から一変、ダークな一面が描かれ始めた。

まず、描かれたのは八潮瑠唯と二葉つくし。瑠唯は自分自身の能力の高さを理解しつつ完璧を追い求めながらも、自分が1番ではない、主役ではないコンプレックス、つくしは自分と周囲の人間との違いについて描かれ、その様子に胸が締め付けられるような気持ちになった。

映像が終わり、観客の目はステージへと向けられる。そこには黒い衣装に身を包んだましろ（進藤さん）の姿が。その後、瑠唯（Ayasaさん）のバイオリン演奏が始まり「フレージング ミラージュ」を披露する。ほかの楽曲よりもバイオリンの音が強調されているのが特徴的で、その音を会場に響かせた。

続いて披露されたのは「esora no clover」。この楽曲は二葉つくしの心の叫びが歌詞に込められていて、ましろ（進藤さん）が座り込んで俯きながら歌う場面が非常に印象的だった。その後、カバー曲「unravel」を披露。不安や苦悩を描いた歌詞が二人とリンクするこの楽曲を高らかに歌い上げた。

再びステージが暗転し、今度は広町七深の苦悩した様子が描かれる。作中でも「普通」という言葉を意識している七深だが、何でもできてしまう自分の才能・天才性があるがゆえの『自分だけ他の人と違う』という空気に寂しさを感じている苦悩と葛藤を抱えていたようだ。そんな映像が流れ終わると、七深（西尾さん）のベース演奏がスタート。広町七深にフォーカスした楽曲「わたしまちがいさがし」を披露する。その後、カバー曲の「アゲハ蝶」「Nevereverland」を続けて演奏し、会場の熱気を高めていく。

そしてMorfonicaの代表曲でもある「誓いのWingbeat」を披露する。疾走感ある楽曲にいつもとは違う黒い衣装が相まって、見惚れてしまうほどのかっこよさを見せてくれた。

再度ステージが暗転。映像には桐ヶ谷透子が映し出される。普段は明るく前向きな性格の彼女だが、それゆえに周りと噛み合わず苦労してきた様子が描かれていた。ステージの透子（直田さん）にライトが集まると、ギター演奏が始まり「MUGEN Reverberate!」へと繋がっていく。桐ヶ谷透子にフォーカスしたということもあり、非常にパワフルな楽曲だった。

その後、疾走感のある「flame of hope」、「Ever Sky Blue」を立て続けに披露し、会場のボルテージを最高潮に上げていく。今や代表曲の1つでもある「flame of hope」では全員が声を出し、会場が一体になっているのを感じた。

またステージが暗転し、今度は倉田ましろが映し出される。映像では、自分に自信が持てず、何も持っていない自分を変えたいと苦悩する彼女の姿が描かれていた。そんな映像に続く形でステージ上にいるましろ（進藤さん）がライトに照らされる。そして彼女は問いかける「私に神様っているのかな？」と。

そのセリフに続けて「きょうもMerry go rounD」を披露する。倉田ましろにフォーカスして作られた楽曲であり、ましろが力強く歌い上げることで、ラストを飾るにふさわしい楽曲となっていた。

4人がステージを後にし、そこにはましろ（進藤さん）のみが残った。ひとりステージの後ろへと歩き始め、後方にある扉の前で座り込んでしまう。最後、ましろ（進藤さん）が何かにすがるような思いで、扉の向こうの光を見上げながら手を伸ばしたところでステージが暗転。本公演は終了となった。

公演終了後、Morfonica Concept LIVE「ff」の開催も告知された。ライブロゴの下に「fortissimo」と書かれていることから今回のライブに続くような形であることが予想される。

今までは白を基調にした衣装が多く、かわいらしい印象だった。しかし、今回はこれまでと一味違い、紺の衣装に身を包んだかっこいいMorfonicaを見ることができた。新たな姿を見せたMorfonicaが次にどんなライブを披露するのか非常に楽しみだ。

■Morfonica Concept LIVE「forte」セットリスト

M1 ハーモニー・デイ
M2 ブルームブルーム
M3 メランコリックララバイ
M4 両翼のBrilliance
M5 フレージング ミラージュ
M6 esora no clover
M7 unravel
M8 わたしまちがいさがし
M9 アゲハ蝶
M10 Nevereverland
M11 誓いのWingbeat
M12 MUGEN Reverberate!
M13 flame of hope
M14 Ever Sky Blue
M15 きょうもMerry go rounD

(C)BanG Dream! Project Photo ハタサトシ