「県政を再構築して刷新して前進していく」出馬表明 大村慎一氏の描く静岡県の未来【静岡県知事選】

川勝平太知事の辞職に伴う静岡県知事選挙は5月9日告示、26日投開票です。「LIVEしずおか」では、立候補予定者に政策や課題について話を伺いました。

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<LIVEしずおか 井手春希キャスター>
今回は元総務省官僚で静岡県の副知事も務めた大村慎一さんにお越しいただきました。きょうは暑い中でしたが、いろいろ回りましたか。

<大村慎一氏>
おおむね10か所ぐらい回っています。

<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
大村さんのプロフィールを紹介していきます。大村さんは静岡市の出身です。1987年に自治省(現総務省)に入り、官僚としてキャリアを築いてきました。2010年から2年間は、静岡県の副知事も務めています。総務省時代の大村さんは、新型コロナウイルス対策など、さまざま取り組んできたと聞いていますが、なぜ官僚を目指したのでしょうか。

<大村慎一氏>
子供の頃から、何か人のために役立つ、社会に役立つ仕事をしたいと思っていました。私の母方の先祖で、民生委員制度を作った富士市出身の笠井信一という人がいまして、そういった仕事に憧れたというのもあります。

<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
国での仕事が静岡県政にはどう生かされると思いますか。

<大村慎一氏>
36年務めてまいりましたが、北海道から九州まで全国で仕事をして、また、制度の企画立案をしてきましたので、そういった中での私の持つネットワーク、人のつながりや経験が静岡県政に全部つぎ込めるんじゃないかと思っています。

<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
政策発表会見の際、この言葉を強調していました。「有言実行」という言葉です。どういう思いで話したのでしょうか。

<大村慎一氏>
県政の信頼を取り戻していくためには、軽い言葉ではなく、言った言葉については、やはり必ず実行していく努力をしっかりとしていくということが、県政が県民のみなさまからの信頼を取り戻すということになるのではないかと思っています。

<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
大村さんの政策について確認していきます。大村さんが今回示した主な政策は10個です。消防庁での経験も踏まえて、防災や危機管理を重点政策として掲げていましたが、主な政策の中で強調したい部分はありますか。

<大村慎一氏>
10個について、「強く、元気で、温かい」と言っていますけれども、やはり、「強く、」ということで、防災危機管理についてしっかりとやっていく。例えば、伊豆の防災のために、伊豆縦貫道を整備していく、こういったことが必要だと思います。

それから、「元気で、」ということで、経済、そして地域を活性化していく、さらに「温かい」ということで子育て支援、さらにいま、障害や貧困で苦しんでいるみなさまの声が届くような県政にしていきたいと思っています。

<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
大村さんといえば、県の副知事も務めました。2010年から2年間副知事を担当してきましたが、その際、川勝県政も支えてきました。川勝県政の15年間についてはどう振り返りますか。

<大村慎一氏>
川勝知事の持っている非常に強い発信力、そして学識について、大変に強みがあったと思っていますが、やはりこの15年間のうちに、だんだんなかなか対話ができていない、国との対応ですとか、各市町の対話、JRやそういった関係者との対応において、やはりもう少し考えていくべきところがあったんではないか、それによって県政が停滞しているということは、失言のこともありましたけれども、否めないのではないかと思っています。

<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
大村さんはたびたび対話という言葉も強調していますが、県政が停滞しているとすれば、どうすれば前に進めることができるでしょうか。

<大村慎一氏>
仕事を進めていくためには、しっかりと対応して、議論して、その上で決めるときは、スピード感を持って実行していく、私の県政では、対話と実行ということをしっかりやっていきたいと思っています。その手法をしっかり対応と実行でやっていくために、県政を再構築して、刷新して前進していくということを進めていきたいと思っています。

<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
県政を立て直していくために必要なのが、リニア問題の解決というのもあると思います。大村さんはリニア問題について、大井川流域の市町との対話を重視し、連携して解決を図るとしていて、基本的には、推進の立場をとっています。島田市の染谷(絹代)市長を訪問している姿もありましたが、どうすればこのリニアの議論は前に進んでいくのでしょうか。

<大村慎一氏>
リニア問題については、まず国全体をそうですが、静岡県民にとって、この事業がどういうメリットがあるか、停車駅の問題もありましたが、それ以外にも、在来線の問題ですとか、さまざまな課題、そして観光の問題もあります。リニアの整備のメリット、静岡県にとってメリットをしっかりと示していくということも必要だと思います。

その上で、大切な大井川の水の問題、環境の問題、こういったことについても課題を積み上げてきたものをきちんと解決し、そして、国、JRときちんと協議をし、まずはその前に、流域のみなさまと市町と議論していくことが重要だと思っています。その上で、対話と実行で進めていくということが必要だと思っています。

<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
課題解決という意味では、かなり議論が専門的になっていますが、どうすればこの課題は解決していくのでしょうか。

<大村慎一氏>
すでに課題についてはかなり出ていますので、その部分について、専門家の意見も聞きながら進めていくというこの実行の段階に入ってきていると思います。ただ、そのときに、それを処理する進め方について、流域の市町、地元のみなさまと対応していくと、その上で実行するということが重要だと思っています。

<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
県政の課題についてはまだあります。その一つが、浜松市に建設予定の新しい野球場についてです。県は3つの案を示しています。比較的費用が安価な屋外型の案が2つ。さまざまなイベントはできるけれども、費用が課題となってくる多目的ドーム型です。大村さんはこの野球場についてはどういう考えを持っていますか。

<大村慎一氏>
浜松の野球場は、私も子供の頃、中日との試合を見て、非常に興奮したことがいまだに鮮明に覚えておりますけれども、かなり老朽化しています。そういったことも含めて、この野球場の整備をするということは必要であると思っています。ただ、どういう野球場にするかということは3案ありますが、必ずしもドームありきではなくて、大きなものを作るための運営経費やこの370億円もいろんな資材高騰等でもっと増えてくる可能性もあります。そういったものをきちんと精査する。

そして、アカウミガメの問題、先日も現地に行きましたがかなり風が強く吹いています。こういった特性なども踏まえて、全体の作った後の運営ということをまず考えて、そういった情報を市民のみなさまに示して、声を踏まえて進めていくことが必要ではないかと思っています。

<LIVEしずおか 井手春希キャスター>
大村さんの素顔について深掘りしていきます。大村さんといえば、オレンジ色、そして、緑色のイメージカラーが印象的ですが、何を意識していますか。

<大村慎一氏>
私はお茶が大好きで、静岡のお茶が大好きなんですが、そういう意味で、ネクタイにも緑色を入れています。それから、私のいとこはみかん農家でして、そういったことで静岡のみかんの色も入れています。(各地を)回っておりましたら、ポケットチーフも友達がもらったり、きのう富士の方に行ったら、ネクタイの白はシラスじゃないかとか、赤は桜エビじゃないかと、だんだん静岡カラーから増えてきました。気持ちもオール静岡、服装もオール静岡ということでやっていきたいと思います。

<LIVEしずおか 井手春希キャスター>
(静岡カラーは)足元にも取り入れられていますね。

<大村慎一氏>
靴紐も緑とオレンジで静岡カラーになっています。

<LIVEしずおか 井手春希キャスター>
そして、最近のマイブームがあると聞きましたが。

<大村慎一氏>
娘の影響で、アニメが好きでして、静岡ですので、ちびまる子ちゃんのアニメも好きなんですけども、最近のアニメもよく見ています。

<LIVEしずおか 井手春希キャスター>
アニメは地域活性化の側面もありますからね。

<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
そして、話は県内全域というところでオール静岡を強調しているというところにお話を移したいと思います。立候補予定者の地元が中部、西部ということで、東部や伊豆がどうしても空白になってしまうのではないかという懸念があります。そこについてのアプローチはどう考えていますか。

<大村慎一氏>
東部地域とひと口に言いますが、伊豆がありますので、これは実は非常に重要な静岡の地域資源だと思います。東部地域・伊豆地域を考えてみますと、まず、伊豆については、能登半島地震もありましたが、防災ということをしっかりやっていかなければいけないので、基盤整備、地域の生活道路を整備することによって、平時は観光、そして有事には災害で人を救うことができます。

そして、東部地域、富士山という素晴らしい資源があります。全県の資源ですけどもやはり東部地域の富士山はまた格別だと思います。そういったことを生かして観光、そして素晴らしい地域の医療等の産業があります。こういったものを力強く伸ばしていくということが、東部地域・伊豆地域において非常に大切だと思っています。

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