ウエストランド・河本太の“飲酒暴行”騒動 過去の解散危機と太田光代社長のスゴい対応力

23日に「文春オンライン」によって報じられた漫才コンビ・ウエストランドの河本太による飲酒暴行問題。酒に酔った河本がタクシーに乗車拒否されたと勘違いして車両を蹴り上げ、運転手の腕にかみついて前歯3本を折り顔面にもケガを負ったという騒動だったが、これを受けて、ウエストランドの所属事務所であるタイタンの太田光代社長の対応に注目が集まっている。

光代社長は今回の騒動を受け、取材のほとんどすべてに直接対応しているといい、各メディアからは光代社長の詳細なコメントが報じられている。

その内容についても、騒動を起こした河本を厳しく諫めたことはもちろん、トラブル相手となった運転手への真摯な補償の姿勢やや、相方・井口浩之と河本との“ギャラ折半”をやめさせるといった具体的な対応、また河本のアルコールとの付き合い方についても真剣に模索していく方針などを明らかにし、マスコミ各社からは「さすが光代社長だ」という声が上がっているのだ。

光代社長といえば、マネジメント上のトラブルで太田プロダクションを追われた爆笑問題のために、現在のタイタンを立ち上げた人物。太田光の妻で、当時干され切っていた爆笑問題を再起に導いた傑物として知られている。

また、その後も日大裏口入学報道など太田についてのトラブルが持ち上がるたびに矢面に立ち、事務所と所属タレントのために奔走する姿がたびたび報じられてきた。

今回の河本のトラブルはコンビの存続にかかわる重大な事案とも見られたが、光代社長の厳しくも温情ある手配によって、なんとか収まりそうな見通しとなっている。

ウエストランドにとって、コンビの存続にかかわる危機は今回が初めてではない。

2019年、井口浩之がSNS上でファンを名乗る女性に局部を撮影した写真を送付し、その画像がネット上に流出したことがあった。

「いぐちんランド事件」と呼ばれたこの騒動では、井口は一方的に局部写真を送り付けたわけではなく、先方から送られてきた胸の写真を見て「自分も送らなければ」という紳士的な考えに基づく画像送付だったが、これがネット上にさらされたことで井口は憔悴。一時は、芸人を辞めなければならないとまで思い詰めたという。

その後、マネジャーとともに光代社長をタイタンに訪ねた井口だったが、光代社長は落ち込む井口に対して「なんだ、そんなことか」と笑い飛ばすと「カーボーイに行ってこい」とひとこと。その日、生放送が予定されていたTBSラジオの『爆笑問題カーボーイ』への出演を指示したのだという。

解散・引退も覚悟していた井口だったが、結果的には『カーボーイ』で一部始終を告白し、爆笑問題にイジり倒されることで「いぐちんランド事件」をネタとして消化することができた。

今ではすっかり笑い話となった「いぐちんランド事件」だが、その裏には光代社長による大胆な采配があったということだ。

今回、河本の起こしたトラブルは簡単に許されるものではない。だが、光代社長が見捨てない限り、ウエストランドというコンビには未来があるはずだ。

(文=新越谷ノリヲ)

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