NTT Com、建設業の施工管理業務向けにクラウド型デジタル工程アプリ「GaNett」を7月より提供

by 石井 一志

NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は25日、建設業における施工管理業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するため、7月1日よりクラウド型のデジタル工程アプリ「GaNett(ガネット)」を提供開始すると発表した。また、建設業(特に建築領域)向けに「ドコモ建設現場IoTソリューション」として提供してきたサービスを「tateras(タテラス)」として新たに体系化し、5月15日より展開するとのこと。

GaNettは、建設業で利用する工程表をクラウド上で作成し、共有できるアプリ。2023年7月に発表された、建設現場のDX実現に向けた株式会社竹中工務店、清水建設株式会社との協業の中で検討・開発を行っていたものを、NTT Comが製品化して提供するという。

工程表の作成内容はクラウド上にリアルタイムで保存されるため、最新の工程表を常に確認でき、関係者への共有を行えるほか、クラウドならではの特性を生かして、複数人による工程表の同時編集も対応している。

また、工程表に工種、協力会社、施工量、施工場所、人工などの情報を付与することで、属性情報を活用した工程管理が可能となり、従来よりも高度な工程管理を実現する点も特徴とした。

工程線に施工量の属性情報を付与する画面イメージ

さらに、これまで個別で作成していた総合・月間・週間工程表を関連付けて作成でき、見たい粒度での表示を可能にした。工程のつながりを表示したいときはネットワーク工程やバー工程で表示したり、表形式で表示したいときはテーブル工程で表示したりするなど、登録されたデータを用途に合わせて表示させることができる。あわせて、テーブル工程で修正した内容は、ネットワーク工程・バー工程・ガント工程にも同時に反映されるとのことだ。

このほか、協力会社に対し、各種リソースをリアルタイムに手配・共有するNTT Comのアプリ「tateras手配」とデータ連携することで、工程計画に合わせた手配に対応し、作業手配の抜け漏れを削減。また、手配の情報を各協力会社と共有・管理すれば、調整の手間を大きく低減するとしている。

今後は、工程表の縦軸を並べ替え、情報を共有したい相手に合わせ、工事種別・作業エリア・協力会社の軸に切り替えて表示する機能や、作成した工程情報を他サービスとAPI連携する機能などを拡充する予定だ。

なおNTT Comでは、GaNettの提供開始に先立ち、これまで建設業向けに提供してきたドコモ建設現場IoTソリューションを、taterasとして新たに体系化し、5月15日より展開する。これに伴い、既存アプリの名称を変更するほか、GaNettもその一部に位置付けられるとした。

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