高齢者施設、24時間オンライン診療 福島市、27日から実証

オンライン診療のデモンストレーションで、医師(奥)からアドバイスを受ける女性(手前左)ら

 福島市は27日から、高齢者施設の入居者を対象に、24時間対応のオンライン診療の実証を始める。高齢者施設を中心に軽症の救急搬送が増えていることから、自力で通院が困難な高齢者の診療体制の充実に向けて、効果を検証する考え。将来的には、市内の高齢者施設30カ所以上での導入を目指している。

 オンライン診療の運営支援などを手がけるファストドクター(東京都)や、福島医大地域救急医療支援講座と連携した取り組みで、3施設で実証する。

 オンライン診療は、休日や夜間の急な体調不良時の利用を想定している。専用のウェブページから診療を申し込むと、画面越しで診察を受けられ、処方箋の発行などが受けられる。

 市によると、市内施設からの救急要請は年間約1400件でこのうち約2割が入院の必要がない軽症だという。市は軽症者の救急搬送を減らし、救急車の適正利用につなげたい考えだ。実証は3カ月間を予定している。

 市役所で25日、オンライン診療のデモンストレーションが行われた。入居者役の女性が施設職員役のサポートを受けながら生年月日や症状などをスマートフォンに打ち込み、医師の診察を受けた。

 ファストドクターは2016年に創業。23年12月時点で全国の医師3500人が登録しており、24時間体制で通院困難な患者の支援している。

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