米の学生、レストランを予約するだけで1000万円を稼ぐ! 物議を醸す商売とは?

By 佐藤まきこ

半年や1年先まで予約が埋まっているような人気レストランで、予約を取ることは簡単なことではありません。グルメな街、米ニューヨークでは、そんな人気店の予約だけに数十万円ものお金をかける人がいて、それを利用して稼ぎまくっている人もいるようなのです。

↑席を予約して販売するビジネスが米で流行中

米国にある「アポイントメント・トレーダー」というサイトは、2021年にできたオンラインマーケットプレイス。レストランの予約を売買できるサービスで、人気店の予約を取りたい人が、実際に予約している人から、その予約を買い取るわけです。予約を売った人は、販売価格の20~30%程度の取り分を受け取ることができて、お互いにメリットがあるというシステム。実際にこのサイトを見てみると、ニューヨークだけでなく、ロサンゼルス、マイアミ、ラスベガスなど、各地のレストランを検索できて、数百ドル程度で予約がずらりと販売されています。

「レストランに行こうと予約していたけれど、都合が悪くなってキャンセルすることになった」。そんなシーンで、このシステムは有効でしょう。しかし、予約を売って売り上げの一部をもらえるとあって、お小遣い稼ぎのために利用している人もいる模様。

例えば、ある大学生は、レストランのオンライン予約サイトで、偽の電話番号とメールアドレスでアカウントを作り、人気店を予約。それをアポイントメント・トレーダーで販売するということを行っているそう。1件800〜1000ドル(約12万5000〜15万5000円※)で売ったこともあり、2023年はアポイントメント・トレーダーで合計7万ドル(約1090万円)も売り上げたというのです。

※1ドル=約155.6円で換算(2024年4月26日現在)

また、ホテルでコンシェルジュとして働いている別の人は、すきま時間を利用してレストランの予約を行い、1年間で8万ドル(約1250万円)を稼ぎ出しだそう。アポイントメント・トレーダーのサイト全体では、2023年に600万ドル(約9億3000万円)の売り上げを上げたというから、こんな風に利用している人がまだまだたくさんいるのかもしれません。

予約困難店に「行きたい人」と「実際に予約した人」とを結びつける、このサービス。「予約席の転売は合法なのか?」という疑問も考えられるだけに、賛否両論を巻き起こしそうなビジネスモデルですが、あなたはどう思いますか?

【主な参考記事】

Independent. Foodies are spending thousands bidding on trendy restaurant reservations in New York City. April 24 2024

© 株式会社ワン・パブリッシング