「MS-DOS」v4.0のソースコードが「GitHub」で公開される/v1.25とv2.0のソースコードも再公開、 幻の「Multitasking DOS」初期版も

by 樽井 秀人

「MS-DOS」v4.0のソースコードが「GitHub」で公開

「MS-DOS」v4.0のソースコードが4月26日(日本時間)、「GitHub」で公開された。ライセンスは「MIT」。同社は10年前、「MS-DOS」のv1.25とv2.0のソースコードを米コンピューター歴史博物館(The Computer History Museum、CHM)で公開しているが、そのソースコードもこの「GitHub」リポジトリで再公開されており、閲覧できる。オリジナルの「IBM PC XT」やオープンソースのエミュレーターで動作させることもできるようだ。

「MS-DOS」v4.0は、1988年にリリースされたOS。日本でもPC/AT互換機の市場が立ち上がるきっかけとなったバージョンだ。当時の「MS-DOS」はIBMと共同で開発されていたが(IBM版の名称は「IBM DOS」「PC DOS」)、Microsoftは「Multitasking DOS」(MT-DOS)と呼ばれる派生も開発していたという。ただし、これは広くリリースされることはなかった。

今回公表されたデータのなかには、同社の元最高技術責任者Ray Ozzie氏のコレクションから見付かった「MS-DOS」v4.0のバイナリも含まれている(Ozzie Drop)。これは氏がLotus在籍中に送られてきた「MS-DOS」v4.0の未発表ベータ版バイナリで、「Multitasking DOS」のごく初期段階のものだという。このバイナリは大変貴重で、当時のオリジナル文書をPDF化したものと一緒に「v4.0-ozzie」フォルダー下で公表されている。

「Multitasking DOS」の完全なソースコードは結局、Microsoftのアーカイブからも見つけることはできなかったが、「MS-DOS」v4.0のソースコードが追加で見つかったほか、ドキュメントおよびディスクイメージが発見された。同社は今後もアーカイブの調査を継続するとのことで、新しい発見があれば追加で公開される可能性がある。

なお、今回公表されたソースコードは歴史的文物として閲覧専用で提供されている。不具合を見つけても、修正パッチを送ることはできないが、フォークして実験することは可能だ。

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