【定年間近】もうすぐ定年の60歳ですが、年収が「100万円下がる」ため転職を考えています…無謀でしょうか?

60代で転職をする人はどれくらいいる?

いよいよ定年という60代になっても、定年前後で転職や再就職をする方は少なくありません。

株式会社MS-Japanが60歳以上の管理部門や士業に従事する方々へ実施したアンケートによると、60代以降で転職を経験している方は全体の31.6%でした。さらに、同調査でなぜ働くのかを聞いたところ、「収入を得るため」が80.5%と最も高い結果です。

アンケート結果からも分かるように、60代以降も収入を目的として働いている方は多くいます。そのため、もし収入が下がれば転職を考える方も少なからずいるといえるでしょう。

転職を考えた時点での貯金額や生活状況にもよりますが、給与面で職場に不満を覚えるときは思い切って転職してみることも手段のひとつです。

60代になると賃金が下がる傾向にある

年を重ねるほど受け取れる給料が高くなるケースは多いですが、全年代ではなく60代以降に焦点を当てると状況は異なります。国税庁が公表している「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、20代から70代以上までの平均年収は以下の通りです。

__・20代:331万円
・30代:443万5000円
・40代:506万円
・50代:541万5000円
・60代:391万5000円
・70歳以上:298万円__

50代までは年齢が高くなるにしたがって平均年収も上がっていましたが、60代になると急に100万円以上下がっています。さらに、60代で5年ごとの平均年収を見てみると、60~64歳は441万円、65~69歳は342万円です。60代後半になると、ピークである50代より約200万円も平均年収が下がっています。

60代を機に収入が大きく減ってしまい、老後の生活のために転職を考えるケースもあるでしょう。

60歳で転職をするときの注意点

60歳以降で転職をしようとすると、年齢の壁にぶつかる可能性があります。

厚生労働省の「令和4年就労条件総合調査の概況」によると、一律定年制を採用している企業は96.9%でした。さらに、一律定年制を採用している企業のなかで、定年を60歳としている割合は72.3%です。

つまり、60歳で転職をする場合は定年が60歳でない3割弱の企業から転職先を見つける必要があります。自分だけで企業を探すことが大変なときは、人材紹介会社やハローワークなど、第三者の力を借りましょう。

収入が大きく減るときは思い切って転職も考えてみる

今回参照したアンケート結果より、60代以降で転職経験のある方はおよそ3割でした。また、60代以降でも働く理由としては多くの方が収入を理由に挙げています。

さらに、国税庁の調査では、60歳を超えてから平均で100万円以上年収が下がるという結果が出ています。そのため、収入が大きく減ることを理由に転職をすることは、必ずしも無謀ではないといえるでしょう。

ただし、60歳を定年としている企業は多く、60歳での転職が難しいケースもあります。転職をする際は、人材紹介会社やハローワークなどの活用も検討しておきましょう。

出典

株式会社MS-Japan Manegy 【2023年最新調査】「70歳現役社会」シニア世代は何歳まで働きたい? 管理部門の就業実態を調査
国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告- II 1年を通じて勤務した給与所得者 2 平均給与 [年齢階層別の平均給与](20ページ)
厚生労働省 令和4年就労条件総合調査の概況 結果の概要 2 定年制等 (2)一律定年制における定年年齢の状況(12ページ)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

© 株式会社ブレイク・フィールド社