汚染水放出による取り返しのつかない事態防止を 中国外交部

汚染水放出による取り返しのつかない事態防止を 中国外交部

記者会見に臨む中国外交部の汪文斌報道官。(資料写真、北京=新華社配信)

 【新華社北京4月26日】中国外交部の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は25日の記者会見で、福島第1原発で24日に停電があり、放射能汚染水の海洋放出が緊急中断され、原発内の作業員がけがをしたとの報道に関し、次のように述べた。

 中国は停電事故と海洋放出一時停止の状況に留意している。また日本の国民18万人以上が(停電事故の)同日、連名の請願書を政府に提出し、放射能汚染水の海洋放出を直ちに停止するよう求めたことにも留意している。

 昨年8月に日本政府が汚染水の海洋放出を始めてからの8カ月で安全事故が多発している。放射性廃液の飛散や浄化装置からの汚染水漏れ、貯水タンク内部の表面腐食、電力供給システムの停止といった事実は、放射能汚染水海洋放出の安全性や正当性に対する国際社会の疑念、懸念が当然であることを繰り返し証明している。東京電力の汚染水放出管理は決して安心できるものではなく、国際社会は日本の放射能汚染水排出に対する長期的かつ実効性のあるモニタリングを強化する必要がある。

 福島放射能汚染水の海洋放出は、人類の健康と世界の海洋環境、国際公共利益に関わる。われわれは日本に対し、国内外の懸念を高度に重視し、周辺国などの利害関係者が実質的に参加する独立的で有効な長期的国際監視の仕組み確立に主体的かつ全面的に協力し、放射能汚染水の海洋放出が取り返しのつかない結果を招くのを防ぐよう促す。

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