「八甲田と県民、観光客つなぐ店に」 萱野高原(青森市)にカフェオープン

カフェの店内。店主・工藤さんが制作したひょうたんランプなどが飾られている=26日、青森市

 青森市の萱野高原に26日、カフェ「ひょうたん茶屋」がオープンした。長らく休んでいた「萱野茶屋」をリニューアルした。新店主の作家工藤勇人さん(61)=同市=は「八甲田と県民、観光客をつなぐ店にしたい」と思いを語る。通年で営業する。

 萱野茶屋は同高原にある三つの茶屋の一つで、元々は酸ケ湯温泉直営。コロナ禍の影響が尾を引き、休業が続いていた。「八甲田が美しく、季節ごとにいろんな姿を見せてくれるこの場所で、店が閉まっているのは悲しかった」と工藤さん。昨年同温泉から声がかかり、開業を決めた。

 店舗内はカフェと食堂の二つに分かれている。カフェではブレンドコーヒー、食堂ではドングリやクリなどが練り込まれた「縄文うどん」や自家製みそを使ったしょうがみそおでんなどを提供する。カフェスペースには工藤さんが制作した「ひょうたんランプ」を飾った。料理には八甲田の伏流水を使う。「八甲田のまろやかな水でいれるコーヒーは、ここでしか味わえない」と胸を張る。

 夫婦で店を訪れた同市の会社員工藤利史(さとし)さん(51)と敦子(のぶこ)さん(45)は「お店の雰囲気が良く、コーヒーもおいしい。閉店していて寂しかったから、お店ができてうれしい」と喜んだ。

 工藤さんは今後、店で津軽塗やこぎん刺しなど津軽の伝統工芸に関わるワークショップを開いたり、地場野菜を販売したりするなど幅広い活動を頭に思い描く。「観光客はもちろん、地元の人にも青森の良いところを感じてもらえるような情報発信の拠点にしたい」。営業時間は午前10時~午後4時。

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