全米女子OP予選1日36ホールから中3日「しんどいですよ」 38歳・藤田さいきの最後の1打に見たタフさ

パナソニックオープンレディースに出場した藤田さいき【写真:Getty Images】

パナソニックオープンレディースが開幕

女子ゴルフの国内ツアー・パナソニックオープンレディースが26日、千葉・浜野ゴルフクラブ(6669ヤード、パー72)で開幕し、初日4バーディー、ノーボギーの68で回った38歳・藤田さいき(JBS)は4アンダーで9位発進した。22日には全米女子オープン(OP)の予選会に出場し、1日に36ホールを回って出場権を獲得。「しんどいですよ」と満身創痍ながら好スタートを切った。

体は疲れていても、培った技術に疲れはない。藤田は10番で14メートルのバーディーパットを決めるなど、3アンダーで迎えた最終18番パー3。6メートルのパットも沈めてバーディー締め。平日から詰めかけたギャラリーから大歓声を受けた。「乱れたところもあったけど、内容的にはよかった」と納得の表情を浮かべた。

22日に行われた5月の全米女子OP予選会で3位に入り、初の本戦出場権を獲得した。フジサンケイレディスクラシックで3日間戦った翌日、しかも初めて1日に36ホールを回る強行軍。コーチの兄・勇樹さんがキャディーを務めた。「兄の方が先に足にきちゃって、私は上がり4ホールくらいからしんどいなと思った」と笑った過酷な1日から、さらに中3日で体は正直だった。

この日の最終18番のティーグラウンドで前の組のプレーを待つ場面。同組選手たちは座って休憩したが、藤田は立ったまま。「しんどいですよ。座ったら固まると思って」。それでも、最後にまた伸ばした1打にタフさが見て取れた。

ツアー通算6勝の38歳。全英女子OPに36歳で出場し、海外初挑戦した。今季は富士フイルム・スタジオアリスでツアー新記録となる自身7度目のホールインワンも達成。20代前半の若手が毎年台頭する女子ゴルフ界で存在感を強めている。

実はこの日、勇樹さんも栃木県でゴルフの試合に参戦。「兄もやばいと思う。後で電話してみます」。22年11月大王製紙エリエールレディス以来の7勝目を目指す藤田。体に与えた負担も大きいが、兄妹で大舞台の出場を掴んだ勢いそのままにベテランの底力を見せつける。

THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe

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