勝敗にも影響? どうなる投票率 衆院島根1区補選 3補選唯一の与野党対決で注目集まる

島根1区補選の期日前投票をする有権者=松江市末次町、市役所

 28日に投開票される衆院島根1区補選は投票率が勝敗を左右しそうだ。島根で初の衆院補選となり、投票率が読めない中、支持固めを進める自民党は支持者が多い周辺部などでの電話作戦を強化し、立憲民主党は勝利に不可欠な浮動票獲得に向けて大票田の旧松江市での活動に注力している。

 過去の島根1区の投票率は2017年衆院選59.17%、21年衆院選61.23%だった。補選は総選挙に比べて下がる傾向がある中、今回の3補選で唯一の与野党対決となった島根1区の投票率に注目が集まる。

 自民新人の錦織功政候補(55)の陣営内には、自民派閥の政治資金パーティー裏金事件に反発し、投票を棄権する支持者も少なくないとの見方もある。報道各社の情勢調査で劣勢が伝えられる中、地方議員や旧市町村単位にある地域支部の協力を得ながら電話作戦を展開し、支持固めを進める。1区選挙対策本部の嘉本祐一事務本部長は初めての補選で有権者の投票行動が読みにくいとし、「数値目標は立てていない」と話した。一方、党本部幹部は50%程度になるとの見立てを示しているという。

 立民元職の亀井亜紀子候補(58)の陣営は、連合島根や自主支援する共産党の基礎票を固めた上で浮動票の獲得を図る。選挙区内に約2万人の組合員がいる連合島根の構成組織は支持者カード集めに奔走。組織力で自民に劣ることから、党幹部や知名度の高い国会議員を大票田・松江市に投入し、投票を呼びかける。総合選対委員会の川井弘光事務局長は「50%を切ったら勝負にもならないし、50%台前半でもあやしい。とにかく『棄権はしないで』と、最後まで投票を呼びかける」と述べた。

 21年衆院選が10月だったのに対し、今回の補選は4月で新生活に伴って県外に転居した有権者も一定数はいるとみられることに加え、投開票日が3連休の中日に当たることなどから過去と比較しにくい状況がある。投開票日の松江の天候は晴れ時々曇りの予報。21年衆院選(10月31日)は晴れ時々曇りで平均気温16.3度、17年衆院選(10月22日)は大雨で平均気温17.4度だった。

 島根県選挙管理委員会によると、告示翌日の17日から21日までの5日間に期日前投票したのは1万6375人。期日前投票率は6.26%で、21年衆院選に比べて1.25ポイント減っている。

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