U-23アジアカップ準々決勝敗退に韓国メディア悲嘆…パリ五輪の団体球技種目”ほぼ全滅”の実状に危機感「非常に残念な没落」

最悪の結末を迎えてしまった。

現地4月25日、カタールで開催されているパリ五輪のアジア最終予選を兼ねたサッカーのU-23アジアカップは準々決勝が行なわれ、10大会連続の五輪出場を目ざしたU-23韓国代表がPK戦の末、10-11でインドネシア代表に敗れる波乱が起きた。

今大会は上位3か国までに入るか、4位でもアフリカ代表ギニアとのプレーオフに勝利すればパリ五輪の出場権を獲得することができる。ゆえに、準決勝まで進出しなければ、その時点で五輪の可能性は消滅。よって、韓国の男子サッカーは今夏のパリ五輪本大会の道が完全に途絶え、1984年のロサンゼルス五輪以来40年ぶりに五輪切符を逃した。

受け入れ難いこの敗北は、母国メディアでも重く受け止められている。韓国メディア『MK SPORTS』は「ファン・ソンホン監督率いるU-23韓国代表は、アジアカップ準々決勝でインドネシア代表に敗れた。この結果、韓国は88年ソウル五輪から9大会連続の出場記録が途切れてしまった」と肩を落とした。

加えて、「2月のAFCアジアカップでユルゲン・クリンスマン前監督のドーハでの大惨事(64年ぶりの優勝を狙うも、準決勝で敗退)に続き、再び同じ地で悲劇が繰り返された。ファン・ソンホン監督の崩壊の影響は予想以上に大きい」と厳しく論じ、「結果はひどいものだった。ゆえに、責任を取る時が来たのだ」と指揮官の更迭を示唆している。
ドーハでの衝撃的な敗退により、栄光の足跡が絶たれた韓国。しかし、残酷な結果は何も男子サッカーに限った話ではない。実は韓国スポーツ界全体を見渡すと、痛恨の脱落と言っても過言ではないほど、今回の予選敗退が暗い影を落としているのだ。

韓国のスポーツメディア『OSEN』によると、サッカー、野球、バスケットボール、バレーボールといったメジャー球技種目のうち、男女ともにパリ五輪に出場する種目は4月27日現在、ひとつもない異例な事態に陥っている。一方で、唯一パリ五輪に出場する韓国の団体球技種目は女子ハンドボールのみで、同競技は84年ロサンゼルス大会から11大会連続の出場を決めている。

同メディアは「パリ五輪で採用された団体球技種目のうち、男子はサッカー、バスケットボール、バレーボールのほか、ハンドボール、ホッケー、7人制ラグビー、水球でも出場を逃し、何ひとつ生存できなかった。今回の代表チームの敗退は韓国サッカーの惨事であり、韓国スポーツ全体にとっても非常に残念な没落だ」と断罪。相次ぐメジャー球技種目の五輪不出場に危機感を抱いている。

最後に、『MK SPORTS』は今回の代表チームがアジアカップでベスト8止まりだったことに加え、40年ぶりに五輪切符を逃した原因を「真剣に考えるべき」と提言しており、「韓国サッカーはアジアカップとオリンピックという大事な時期を逃し、これからはゼロからスタートしなければならない。そのためには、外側ではなく内側を正す必要がある」と組織再編を視野に入れ、再出発を図るべきとの持論を展開している。

韓国の球技種目にとって、再建への道のりは苦難が続いている。

構成●THE DIGEST編集部

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