大相撲水戸場所 高安に大きな声援 春巡業に4200人 茨城

土俵上から来場者に手を振る高安関=アダストリアみとアリーナ

大相撲水戸場所が26日、茨城県水戸市緑町のアダストリアみとアリーナで開かれた。来場者約4200人が約50番にわたる白熱した力士の取組に沸いた。同県土浦市出身の前頭高安関をはじめ、郷土ゆかりの力士が登場すると、ひときわ大きな声援が送られた。水戸市での大相撲の地方巡業は2019年以来、5年ぶり。

県勢力士の取組では、高安関が寄り切りで逆転勝利。同市出身の十両武将山関は、珍しい決まり手「引っ掛け」で白星を飾った。同県大洗町出身の天空海関は、相手のさがりを落とす強烈なぶつかり合いを見せた。

横綱照ノ富士関の土俵入りでは「よいしょ~」のかけ声と盛大な拍手が湧いた。声自慢の力士が相撲甚句を披露したほか、相手のまげをつかんで投げるといった禁じ手をコミカルに実演する「初切(しょっきり)」で笑いを誘った。武将山関は「地元ファンの『会いたかった』の声がうれしい。五月場所で幕の内に戻れるよう一日一番に集中したい」と語った。

武将山関を輩出した水戸尾曽相撲道場に通う、市立常磐小5年、会田芽生君(10)は「生の力士は体が大きくて驚いた。稽古のぶつかり合いは迫力があった」と感心していた。

同県大子町高柴の高橋光枝さん(75)は「二所ノ関部屋など茨城ゆかりの力士を応援している。最近は若い力士が多く子や孫を応援するようで楽しい」と満足げだった。

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