タカアンドトシ「お前らは東京でも大丈夫だから、上京するなら早いほうがいい」背中を押してくれたのは高級マンションに暮らしていた先輩芸人

タカアンドトシ 撮影:武田敏将

札幌よしもとの一期生としてデビュー後、「欧米か!」でブレイクすると国民的人気芸人になったタカアンドトシ。2人は後輩芸人のインフルエンサーになり、いまもネタを作り続けている。結成から30年、タカアンドトシが目指すのは“看板”だ。彼らの「THE CHANGE」に迫る――。【第2回/全3回】

札幌にいながら、東京や大阪の劇場にも出るようになったタカアンドトシのふたりだが、大阪では苦戦したという。

――当時、お世話になった先輩はいたんですか?

タカ 「ロンブーさん(ロンドンブーツ1号2号)ですね。北海道でやっていたライブに、東京から師匠や若手芸人を呼ぶことがあって。淳さんが僕らのネタを褒めてくれたんです。東京の番組でも“タカアンドトシが面白い”と話してくれて。僕らは1年目で、ロンブーさんは2年目でした」

トシ 「ススキノで食事をご一緒することもあって、淳さんは“お前らは東京でも大丈夫だから、上京するなら早いほうがいい”と言ってくれたんです」

タカ 「その後、ロンブーさんはどんどん売れていって」

トシ 「淳さんの家に遊びに行くと、高級マンションで」

タカ 「外車に乗ってね」

トシ 「あとから話を聞くと、後輩に夢を見せるために無理していたらしいんです。実際、僕らは“頑張ったら淳さんみたいになれるんだ”とモチベーションが上がりました」

トシが考えた『欧米か!』がハマった

――01年から07年にかけて『爆笑オンエアバトル』(NHK)で活躍します。

トシ 「僕らはロンブーさんと違うからコツコツとネタをやっていくしかないので、オンバトで結果を出さなきゃと思ってました。吉本は芸人の数が多くて、1回のチャンスをものにしないと、次にオンバトに出られるのは2年後とかになっちゃう。札幌大会があったときに初出場してオンエアされたことが、僕らにとっては大きかったです」

――「M-1グランプリ2004」の決勝に進出したときは「あのタカアンドトシが決勝に!」という感覚でした。

タカ 「あの時点では、お笑いが好きな人たちには知られていたけど、一般的には知名度が低かったんです」

トシ 「M-1で知名度は上がって。優勝こそできませんでしたが、僕らの自信につながりました」

タカ 「02年に上京してから、M-1決勝を目標にネタを作りまくって。ようやく04年に決勝に出ることができたんです」

――翌年に「欧米か!」のネタができたんですよね。

タカ 「M-1に向けて作っていながら未完成なネタがあったんです。そのワンフレーズでツッコミを入れていくネタを単独ライブまでに完成させようと練っているなかで、トシが考えた『欧米か!』がハマって。舞台でやったらウケたんです。その後、ネタ番組で『欧米か!』をやったら、いろんな番組に呼ばれるようになりました」

トシ 「ほんこんさんから初めてメールがきたんです。“『欧米か!』、面白いなぁ”って。06年から世間に『欧米か!』が広がったら、仕事が一気に増えたんです」

取材・文/大貫真之介

左:タカ。1976年4月3日生まれ、北海道出身。
右:トシ。1976年7月17日生まれ、北海道出身。
中学校の同級生だった2人が1994年5月にコンビ結成。2004年の「M-1グランプリ」で決勝進出したほか、2005年と2006年の「爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」(NHK総合)で優勝。レギュラー番組は『帰れマンデー見っけ隊!!』(テレビ朝日系)、『今夜はナゾトレ』(フジテレビ系)、『有吉ぃぃeeeee!そうだ!今からお前んチでゲームしない?』(テレビ東京系)など。

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