結婚式で、友人からのご祝儀が「1万円」でした。あまりにも低い金額で悲しいのですが、本人に指摘すべきではないでしょうか? そもそも「マナー違反」ではありませんか?

結婚式に出席する人のご祝儀相場はどのくらいか

結婚式のご祝儀の相場はどのくらいなのか見ていきましょう。少し前の調査ですが、全日本冠婚葬祭互助協会によると、結婚式のご祝儀の相場は図表1の通りとなっています。

図表1

一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会 祝儀(結婚祝い)等に関するアンケート調査

図表1にあるように、友人の結婚式のご祝儀金額は次のとおりです。

__・5万円以上を渡す人が4\.5%
・3万円を渡す人が83.4%
・2万円を渡す人が4.3%
・その他の金額を渡す人が7.8%__

つまり、結婚式の出席者の90%近くがご祝儀として3万円以上を渡しており、3万円を下回る人は少ないということです。

またご祝儀の金額のマナーとして、2万円、4万円、6万円といった「割り切れる偶数」は「割れる」という意味合いがあるため、避ける必要があります。割り切れる数字のご祝儀は渡さない方がいいでしょう。

ご祝儀相場3万円の理由は?

結婚式に出席者が持参するご祝儀はゲストの気持ちの表れであり、金額については新郎新婦側が強制するものではありません。しかし、新郎新婦が「3万円」を期待する理由として、結婚式でゲストに提供する「飲食物」と「引き出物」の代金が挙げられます。

「ゼクシィ結婚トレンド調査2023 首都圏版」によると、料理食事・飲み物飲食代金費用と引き出物のゲスト1人当たりの平均金額費用は図表2の通りです。

図表2

株式会社リクルート ゼクシィ結婚トレンド調査2023 首都圏 を基に筆者作成

料理・飲み物と引き出物にかかる費用を合計すると2万7800円となり、3万円のご祝儀とほぼ同じくらいの金額になります。実際には料理や飲み物と引き出物以外にも、ゲストを迎えるためのメニュー表や席次表などに費用がかかっています。ゲスト1人につき3万円近く費やしている結婚式に対して、ご祝儀が1万円だけだと、新郎新婦にとって負担をかけられることになります。

ゲストを迎えるのにも費用がかかります。費用をゲストが負担すると考えると、やはりご祝儀は3万円を包むのが出席者のマナーであり、招待側が期待する金額といえるでしょう。

ご祝儀が明らかに少ない場合の対処法は?

友人のご祝儀が「1万円」とマナー違反といえるほど少なかった場合はどうすればいいのでしょうか。

マナー違反だと腹を立て、相手に文句をいったり今後の付き合い方を変えてしまったりするのは簡単ですが、ちょっと待ってください。結婚式に招待するくらいの仲の友人なのですから、「何か理由があるのかも」と考えて冷静になったほうが良いでしょう。

実際に、用意していたお金を入れ忘れて空のご祝儀袋を渡す「うっかり」はよくあるそうです。ご祝儀袋は早めに用意することが多いため、入れたものと思い込んでいたり、新札を用意しているうちに忘れてしまったりするのでしょう。

また、袋に書かれている金額より中身が少ないことも珍しくないそうです。こちらもうっかり間違える、1度記入した後で何らかの事情で金額を変更し、そのままになっているなどの理由が考えられます。あるいは、結婚式へ参加したことがなく相場を知らないだけということもあります。

いずれにしても、よほど親しい友人ならご祝儀が少ないことを明るく指摘してもいいでしょうが、それが難しければ、「実際に包んである金額が全て」だと解釈したほうが気楽なのではないでしょうか。

ご祝儀はあくまでもゲストの「気持ち」と考えよう

結婚式のご祝儀は友人の場合「3万円」が相場ですが、なかには「うっかりミス」や経済的に厳しくて相場以下のご祝儀しか包めない人もいます。かといって腹を立てるとか、相手に文句をいうのはせっかくの門出の明るい気分を台無しにしてしまいます。

仲の良い友人だからこそ招待したのですから、「ご祝儀はあくまでもゲストが自分の気持ちとして包んでくれたもの」と考え、相場や「元を取らなくては」という思いにとらわれすぎないようにしましょう。

出典

一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会 祝儀(結婚祝い)等に関するアンケート調査
株式会社リクルート ゼクシィ結婚トレンド調査2023 首都圏版

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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