鉄芯×MAX ミズノの高MOIヘッド 大谷似な豪快スイングコーチの評価は！？

ミズノ独自の新機能「コアテックチャンバー」を搭載し、反発力を高めて高初速エリアを拡大させた「ST 230」シリーズ。そんな“鉄芯”と呼ばれる最新技術を採用したヘッドに、高慣性モーメントを加えた「ST-MAX 230 ドライバー」が仲間入りした。“MAX MOI × MAX 初速”を実現したMAX尽くしの一本を、ヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。顔は“控えめな大谷翔平”&スイングは豪快(HS50m/s)なゴルフテックコーチ・稲場智洋の評価は！？

「見た目から感じるつかまりの良さ シャフト次第で大化けの予感」

―率直な印象は？
「とにかくボールがつかまるドライバーです。構えたときからボールを包み込んでくれる印象で、つかまり&上がりそうな雰囲気がアドレスから伝わります。実際に打ってみたところ、最初の何球かは反射的に逃がしてしまう動きを取ってしまい、ボールも右に逃げてしまいましたが、徐々にタイミングが合ってくると290yd前後が安定して出てくれました。純正シャフト（TOUR AD GM D/硬さS）を替え、もう少しシッカリめのシャフトと合わせれば、今より実戦向きなモデルになる予感がします」

―他社の最新モデルと比べると？
「昨年発売の同シリーズ『ST-X』『ST-Z』のラインアップでも、ボール初速のスピード感で好印象を抱いていました。正直、それ以前は海外ブランドと比べて差が開いているイメージを勝手に抱いていたのですが、世界戦略『ST』シリーズからは本当にその差を感じなくなっています。他社から上下左右慣性モーメント値“10K”をうたったモデルが続々と登場していますが、今作『MAX』も引けを取らないやさしさ。それにプラスして同社が持っている形状美も手伝い、国産ならではの所有感が得られるシリーズに仕上がっています」

―弾道の高さがやや抑え気味に見えましたが？
「そうですね。現在マイクラブはピン『G430 LST ドライバー』を使っているのですが、それより少し抑えめなのかもしれません。元々、私がそれほど弾道が高いタイプではないので、スピン量は適正に近い（平均2415rpm）とは思いましたが、試打したロフト角10.5度の割には、低く出ていたのかもしれません。ですがその分、中弾道の強い球筋でランが多く出る感じはあるので、リシャフトやロフト調整で高ささえ確保できれば、より飛距離に貢献してくれる気がしました」

―ヘッド性能自体は前作より上がっている？
「“鉄芯”テクノロジー『コアテックチャンバー』の影響からか、レンジボールでもボール初速が70m/sを超える弾道が多い。実際に打ち出るボールの様子を見てもスピード感は伝わってきます。コースでもっと飛距離が出てくれる印象を受けました。大きく左右に曲がるミスは出ていないところを見ると、寛容性も上がっていると思います。ただ、他社も同等、それ以上の性能は打ち出してきているなかで、今日の振りだけで判断すると、正直すぐに買い替えを考えるほどの出来ではないのかもしれません」

―カスタムするなら、どういうシャフトと合いそう？
「現在はグラファイトデザイン『ツアーAD CQ』の6Xで、比較的に先がしなるタイプを使っています。シャフト自体の特性でボールを上げつつ、硬さ(フレックス)で安定感を持たせる。自分的には“中和”させるイメージなのですが、そんなスぺックのシャフトと今作ヘッドを合わせるのは、とても面白いと思います。特につかまり感が強いヘッド特性なので、うまくシャフトを合わせれば、より高打ち出し&強い球質を得られる。想像以上の飛び性能を秘めた“中和”的シャフトとのセッティングはお勧めです」

―どのような人向き？
「これまで同社をはじめ、国産ブランドでつかまり具合や飛距離に手ごたえを感じてこなかった人向け。各社から慣性モーメントを高めた『MAX』モデルが登場していますが、つかまりもやさしさも両方を求める国産好きゴルファーに適したクラブではないでしょうか。同社ファンはもちろん、それ以外の人にもぜひ試打していただきたい。私のように(国産ブランドで)思うように初速が出ない、飛ばないイメージを抱いていた人こそ一度は試してもらいたい一本です」

打感&寛容性4.5点の上々評価【総合評価4.2点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角：10.5度
・使用シャフト：TOUR AD GM D（硬さS）
・使用ボール：リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力／トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋