車内で駅弁を食べるときに注意!【新幹線マナー】残念な人がしがちなNG行動とは

新幹線を利用する際のマナー

【元社長秘書のマナー講座】vol. 34


ゴールデンウィーク中は、帰省や旅行で新幹線の旅を楽しむ方も多いのではないでしょうか。長距離の移動手段として使う新幹線は、利用に慣れていないと少し戸惑う場面があるかもしれません。
例えば、新幹線のお弁当の匂いに関するマナーを皆さんはご存知でしょうか? 実は、お弁当の匂いで周りの人が匂い酔いをしてしまっている可能性があります。公共の場面ではしっかりとマナーを守り、配慮のある行動を心掛けることが大切です。「知らなかった」「気づかなかった」というマナーは意外とあるのかもしれません。今回は、新幹線を利用する際の座席や匂いで気をつけておきたい、今更聞けないマナーについて、Q&A形式でご紹介をします。快適な旅を過ごすためにも、ぜひチェックしてみてくださいね。


新幹線の座席マナー

Q. シートを倒す時に後ろに声をかけた方がいいの?

A. 状況に応じてひと声かける
シートを倒したい場合は、後ろの席の乗客へひと声かけてから倒すのが基本マナーです。後ろの方がパソコンで仕事をしていたり、飲食をしていたりする時に、急にリクライニングを倒すと思わぬ事態に繋がる可能性があります。急に前の席が倒れてくるのはあまり気持ちいいものではありませんよね。そのため、「席を倒しても大丈夫ですか」と確認してから、座ってシートをゆっくり静かに倒しましょう。寝ている場合などは、状況に応じて声をかけないのも相手への心遣いです。また、倒したシートは、降りるときには必ず元に戻しておきましょう。

Q. 自分の席に誰かほかの人が座っている! どう対応したらいいの?

A. チケットを相手に見せながらお互いに確認をする
買った席に、すでに人が座っているという状況になった場合、驚くかもしれませんが慌てることはありません。落ち着いて自分のチケットを手に持ち、相手に見せながら、「すみません、私、この席だと思うのですが」と伝えてみましょう。お互いにチケットを確認し合うことで、正しい席を確認できます。この場合、相手を責めるような言い方にしないことがポイントです。また、自分が間違えて座ってしまう場合もあるため、チケットはすぐに取り出せるようにしておきましょう。


お弁当のマナー

Q. お弁当を食べるタイミングってあるの?

A. 「発車してからすぐ」、「次の駅に着く直前」はなるべく避けましょう
車内で駅弁などを食べるのも旅の楽しみのひとつですよね。新幹線でお弁当を食べるのにタイミングなんて関係あるの? と思う方もいらっしゃるかと思いますが、周りの人への心遣いが大切です。新幹線でお弁当を食べるタイミングとしては、「発車してからすぐ」と「次の駅に着く直前」はなるべく避けるのがマナーです。出発してすぐのタイミングは、大勢の人が移動していることや隣に人が来る可能性があるため、状況を見て判断することが必要です。また、自分が通路側の座席の場合も同じく、隣席の人が次の駅で降りるタイミングの場合は、お弁当を広げていると降りにくくなってしまうため気をつけましょう。

Q. 匂い酔いする人がいるから、控えたほうがいい食べ物があるって本当?

A. 車両中に匂いが広がるような強い匂いがする食べ物はなるべく控えましょう
新幹線など公共の乗り物で控えた方がいい食べ物の規則や法律はありませんが、持ち込むお弁当は、なるべく匂わないものを選ぶことをおすすめします。車両中に匂いが広がるようなものは、美味しそうな匂いだとしても、周りからすると不愉快に思わせてしまう可能性があるからです。また、新幹線のお弁当の匂いで酔ってしまうかたもいらっしゃいます。実際に「新幹線車内および駅構内でのお召し上がりはご遠慮願います」などと記載された食べ物もあるため、お弁当を選ぶときは、おにぎり、サンドイッチ、匂いのあまりしないお弁当などを選ぶのがおすすめです。
また、一部車内販売が終了した新幹線もあるため、新幹線に乗る前にお弁当や飲み物を買っておくといいでしょう。


おわりに

新幹線ではお弁当の匂いが広がりやすく、人の移動もあるため、駅弁を食べるタイミングやマナーには配慮が必要です。法律で規制されているものではありませんが、マナーを守ってお互いに楽しい新幹線の旅行にしたいですよね。大切なのは、周囲の人に対する少しの心遣いです。自分だけではなく、周囲の人も旅を楽しめるよう気配りをするのが、快適な旅を過ごすための基本マナーだと心得ておきましょう。

<筆者情報>
ライター:能美黎子
大学卒業後、新卒にて最大手保険会社にて約7年秘書の経験を経て、ITコンサル企業の社長秘書に転職。その後、数社の社長秘書を経験し秘書歴約15年となる。秘書検定準1級を取得。
今までの経験を活かし、接遇や礼儀作法、マナーなど“品格”を大事にした執筆作業を行なっている。

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