激論火花…参院選前哨戦 神奈川10候補が公開討論会

 22日公示、7月10日投開票の参院選神奈川選挙区(改選定数4)に立候補を予定する10人が14日夜、横浜市内で公開討論会に臨んだ。待機児童などの子育て施策、憲法改正、税制など幅広いテーマで主張を表明し合った。日本青年会議所関東地区神奈川ブロック協議会の主催。■子育て施策 先の国会でも大きな議論を呼んだ待機児童問題。

 民進党公認の現職・真山勇一氏(72)は国の予算措置の必要性を強調。「少子化はそんなに簡単に解決しない。保育も義務教育化を考えるべき時期に来ている」と指摘した。

 自民党公認の現職・三原じゅん子氏(51)は「地域の絆を大切にし皆で育てる。地域の創意工夫を後押しするのが政治の役割。女性活躍推進に取り組む」と述べた。

 諸派の新人・壹岐愛子氏(30)は企業の保育所整備の規制改革や准保育士制度の創設を主張。「保育の質向上へ大胆な保育制度改革に取り組みたい」とした。■憲法改正 意見の違いが際立ったのは憲法改正を巡る討論だ。

 共産党公認の新人・浅賀由香氏(36)は「変えるべきは、憲法をないがしろにする政治」と改憲に反対。「自民の改憲案は立憲主義を否定し、国民を縛る憲法に変える」と批判した。

 与党・公明党公認の新人・三浦信祐氏(41)=自民推薦=は加憲を主張。「改憲する、しないという両極端の議論では国民の意見は集約できない」と国会での議論の深化を求めた。

 また無所属の新人・佐藤政則氏(48)は「どんな法令も必要に応じて修正、改正すべき」。第9条2項を「即刻削除すべき。交戦権は守るために必要だ」と強調した。

 社民党公認の新人・森英夫氏(44)は護憲の立場から「安倍政権が進めようとしている改憲は日本を戦争ができる国にする。戦争に突き進み、命が軽んじられる政治だ」と訴えた。■税制 消費税をはじめとする税の使い道をどうするべきか。

 民進党公認の現職・金子洋一氏(53)は、消費税の8%への引き上げに際し、増収分が全額、社会保障費に充当されていないことを「詐欺だ」と批判。「税の自然増収分を社会保障に使うべき」と訴えた。

 また無所属の現職・中西健治氏(52)=自民推薦=は、現政権下で景気が少し良くなったとした上で「社会保障の安定のためにも経済成長を引っ張っていく」と強調した。

 おおさか維新の会の新人・丹羽大氏(39)は「消費税を地方税にしたらどうか」と提案。「税金の使途を身近に、納得できるようにして、地域の中で生かしていくべき」とした。

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