次期衆院選見据え青森県1~3区立候補予定者 大型連休 活動に精

大型連休初日から、衆院青森県小選挙区の候補予定者たちは集会であいさつするなど精力的に活動=27日午前

 次期衆院選の時期が依然見通せない中、青森県1~3区の候補予定者は大型連休中、それぞれ精力的に活動する構えだ。自民党現職は政治資金パーティー裏金事件などによる逆風の中で小まめに行脚、他党や無所属の元職・新人は人出が増える連休を浸透の好機-と捉え、街頭演説などで批判のボルテージを上げている。

▽自民現職

 「私自身本当に申し訳なく思っているが、自民党イコール悪というイメージが積み重なってしまっている」。青森県3区選出の木村次郎衆院議員は、26日に青森市で開かれた党県連職域支部長・幹事長会議で「肌で感じる」という党への風当たりの強さに言及した。

 木村氏は所属していた安倍派から派閥パーティー収入の還流を受けながら政治資金収支報告書に記載せず、党幹事長の厳重注意を受けた。大型連休中は裏金事件のおわび行脚を兼ねて、支持者へのあいさつ回りや地区座談会、ミニ集会などを開くという。

 1区選出の津島淳衆院議員は連休中、政治資金規正法改正に関する自身の考え方や中小企業支援策を街頭演説で訴える予定。2区の神田潤一衆院議員は内閣府政務官の在京当番をこなしつつ、街頭演説を行いながら地元を回るという。

 比例代表東北ブロックから立候補を予定する江渡聡徳衆院議員も「(自民党が政権を失った)2009年よりもっと厳しい状況」と危機感を募らせる。職域支部長・幹事長会議では複数の県連所属国会議員の会場入りが遅れ、江渡氏が「もっとしっかりしなさい。これで選挙をやったら勝てる選挙も勝てない。もっと真摯(しんし)になって取り組んで」と一喝する場面もあった。

▽元職・新人

 一方、野党や無所属の立候補予定者は自民党への逆風を追い風にしようと、政権批判や自らの訴えに一層力が入っている。

 1区に出馬する立憲民主党の升田世喜男氏はあいさつ回りに注力し、支持拡大を図る。「6月の衆院解散があり得ると想定している」と同氏。「県民から自民派閥の裏金事件に対する怒りの声が寄せられている。1強政治打破を訴えたい」とボルテージを上げる。

 3区に出馬する同党の岡田華子氏は27日、連合青森津軽地域協議会が弘前市で開いた集会に参加。「働いた価値に対し相応の賃金がもらえる社会にして、『青森でもっと頑張ろう』と思えるようにすることが必要だ」と訴えた。

 5月3日には同党の泉健太代表が来県し、両氏と活動をともにする予定が組まれている。

 1区の共産党・斎藤美緒氏は連休中、署名活動や対話集会を予定。「裏金問題で自民党の支持率が急落する中、県民の暮らしを守る政策などを訴えたい」と意気込む。5月3日には比例代表東北ブロックの同党・高橋千鶴子衆院議員とともに街頭演説へ臨む。

 「自分の強みは演説」と強調するのは2区の国民民主党・金濱亨氏。年間1100回以上を目標とする街頭演説を既に350回ほどこなしており、連休中も知名度向上へ八戸市や十和田市などで活動する。

 3区の日本維新の会・長坂淳也氏は西北五地域を中心に活動してきたが、連休中は選挙区内全14市町村を回り街宣カーでの呼びかけに時間を割く。弘前市、五所川原市の商業施設前での街頭演説も計画している。

 3区に無所属で出馬する其田寿一氏は、5~10人程度のミニ集会を少なくとも選挙区内で20~30回開く予定。「少しでも多くの有権者に会い、地域が抱えている課題を聞きたい」と狙いを語る。

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