アナタの周りにもいる…「日本は…」「世の中は…」主語がデカい人の頭の中

思い込みがズレている場合は問題になる

真偽は定かじゃないが、ミュージシャンの長渕剛(67)が過去の性加害疑惑で炎上中だ。

11日に自身のユーチューブチャンネルで〈誹謗中傷へのメッセージ〉と題した動画を投稿し、その中で〈その人が僕が加害者だというのなら、なぜ十数年前、二十数年前のあの時に、もしもそう思うんだったら言ってこないの〉などと発言。炎上の火に油を注いでしまった。

動画のコメント欄には〈(被害女性が)その当時言えないくらい怖くて苦しんだのかを考えてない〉〈自分中心だなとつくづく思う〉……怒りの声で満ちている。

「今ではもう疑惑とは無関係の話をしても噛みつかれるようになってきました。別の動画で〈早くまた(ダウンタウンの)笑いが見たいな〉〈(日本は)めちゃくちゃ損してるでしょ〉などと語っていますけど、ネット上では〈松本(人志)を弁護するのは同じ穴のムジナのようで滑稽〉とか〈「日本は」って。主語がデカい人は要注意〉なんてツッコミが入っています」(芸能ライター)

長渕はどうか知らないが、言われてみれば確かにそうか。アナタの周囲にも〈日本は〉〈男は〉〈世の中は〉などと、やたら“主語が大きい人”がいるはずだ。

明大講師の関修氏(心理学)は「あくまで一般論ですが」と前置きしつつ、こう話す。

「主語が大きい人は要するに、自分の考えは正しい、自分には価値があるから、世間にも当然、肯定されると思い込んでいるわけです。思い込みが周囲の評価と一致していればいいですが、問題はズレている場合です。自治体の首長など政治家にありがちですが、本人は正論と思っていても、世間からはハラスメント発言だとバッシングされたりする。身近にいさめてくれる人がいない“裸の王様”ですね」

上司や先輩にも、そういう勘違いタイプがいるんじゃないか。

「しょせんは〈私はこう思う〉という狭い世界の自分の意見に過ぎないわけです。主語を大きくしていくと自分も偉くなったと錯覚して、思い込みも激しくなる。周囲とズレが生じても気づかないまま、悲劇を生む。主語はなるべく〈私は〉〈アナタは〉などと小さくする癖をつけておいた方が身のためでしょう」(前出の関修氏)

渦中の長渕についても「〈日本〉や〈日の丸〉なんて歌う前の、1970~80年代の目線が低い繊細な歌の方が良かったというファンは少なくないですね」(前出の芸能ライター)。そんな声もある。

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