鉛筆の主役はHBから2Bへ!小学校高学年でも2Bを選ぶワケは“慣れ”と“疲れにくさ”

始まりは、1564年。イギリスで生まれ、人々にとって欠かせないものとなった文房具・・・鉛筆。今回は、その「えんぴつに注目します!」最近の小学生、HBの鉛筆を使わないんです!今回は、そんな小学生たちのいまどき、おどろきの鉛筆事情を調査しました!

小学生の今ドキ鉛筆事情を調査!向かったのは、山口市の大内南小学校。まずは、小学1年生の教室をのぞかせていただきました。ちょうど書き方の授業中。ここで、みなさんに使っている鉛筆について聞いてみました。

ディレクター
「2Bって書いてある人?」
子どもたち
「はーい!」(全員手を上げる)

こちらの教室では、全員が2Bの鉛筆を使っていました。ただ1年生は筆圧が弱く、丁寧に文字を書く習慣をつけさせるためには濃い字が書ける鉛筆を使うことが望ましいということから、2Bを選ぶ児童がほとんどだそうです。

では、鉛筆に慣れた6年生は何を使っているのか?授業にお邪魔して聞いてみました。

ディレクター
「HBをつかってる人?」
数人の児童が手を上げる

32人中15人が2B。HBが9人、Bが7人と、大半が2Bを使っていました!

2Bを使う児童
「濃くて書きやすい。HBは力がいる」
「字が見えやすい、使いやすい。4年のときは、6Bを使っていました」
4Bを使う児童
「4年生の時から使っていました。2Bは薄いなと思って。4Bは濃くて使いやすい」

校長にも、その理由を聞いてみました。大内南小学校・金本正之校長
「6年生になってもB、2Bを使う子がけっこういる。1年生で最初使うので、その習慣じゃないかと。2B、Bの方が濃い字が書けますから、疲れないというのもあるかもしれません。高学年になると書く量も多いので」

さらに詳しく実態を探るべく、文具店「モリイケ」も取材しました。モリイケ 浅川宏治店長
「2B,Bあたりの、芯が柔らかいものがよく出ますね。そもそも学校で使う鉛筆の指定がなくなったというのも、影響が大きいのかなと。今までは『HBを使いなさい』と言われる機会が多かったと思うのですが、今は個々の好みに合わせて使える。芯が硬いと、折れやすいというのもあるんですよ。それで2Bをずっと使う6年生もいる」

鉛筆メーカー最大手の三菱鉛筆によると1994年にはHB、B、2Bの順に多かった出荷量が、2014年には2B、B、HBと完全に入れ替わっているんです。さらに、こちらの文具店では、こんな濃さの鉛筆も人気だそうで・・・

浅川店長
「12B。もちろん11B、10Bとあるのですが。主には画材として使うことが多いのですが、友達に自慢できるとか、おもしろみを狙ってお子さんも買われる方がいらっしゃいますね」

ところで、そもそもHやBの意味 皆さんご存知ですか?Hはハード 。Bは ブラックという意味があり、数字が大きくなればなるほど、その固さ・濃さも増していくんです。ちなみに、Fというものもあり、こちらは「ファーム:しっかりした」という意味。HとHBの間の濃さと硬さを持った鉛筆なんです。

浅川店長
「鉛筆の標準が2B、3B、4Bになっていくと、HBのような硬い鉛筆は別ものと考えられるようになってくるかなと思います」

日本で最初に鉛筆を使ったとされているのは、江戸幕府の将軍・徳川家康。それからおよそ400年、日本はいま、使う鉛筆の変革期・真っただ中です。

小学校では2BやBを使い続けている児童が多いということがわかりましたが、
実は、中学校でも、同じように変化が起こっているんです。何かと言いますと、シャーペンの「芯」。以前はHBの芯を使う生徒が多かったんですが、最近は小学生と同じように、Bや2Bを使うという人が多くなっているそうです。浅川店長によると、小学生の頃から使い慣れている芯をそのまま使い続けているのではないかというこ。普段何気なく使っている鉛筆、ちょっと目を向けてみると、時代を感じる意外な変化があるものですね。

※mixで2021年に紹介した特集から、ゴールデンウイークに家族で楽しんでもらいたい話題をピックアップしました。

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