福島駅前再開発「市の顔となる複合施設を」 若者と意見交換会

JR福島駅周辺の再開発事業について意見を出し合う参加者

 福島市のJR福島駅周辺の再開発事業やまちづくりについて若者らの考えを聞く意見交換会が27日、同市で開かれた。参加者からは「市の顔となる複合施設となることを望む」との意見が出た一方、「この場で何を聞き出したいのか分からず、ゴールが見えない」などと厳しい声も聞かれた。

 福島駅東口の再開発を巡っては、市と福島駅東口地区市街地再開発組合が計画のコンセプト案を示し、コンベンションホールの整備案を軸に協議が進められている。一方、市は民間のテナント誘致が難航している状況を明らかにしている。

 市民らによる意見交換会は3回目で、今回は10~30代の約35人が参加した。参加者は将来を担う若者や子育て世代をターゲットにした施設を要望したほか「新たなマンションは不要」「身の丈に合ったコンパクトシティーの実現を」と少子高齢化や人口減少を見据えた提案もした。テナント誘致については「福島に出店したいと思わせる環境づくりを優先するべきだ」と指摘する声も上がった。

 市内出身で近年の中心市街地の変遷を見てきた福島大経済経営学類3年の佐藤友音(ゆのん)さん(20)は「幼い頃は駅前がもっとにぎやかだった。以前の姿を知っているからこそ、何とかしたい」ともどかしさを口にした。

 5月6日に閉店が迫る西口のイトーヨーカドー福島店の跡地利活用についても切実な声が寄せられた。

 同大人間発達文化学類3年の唐沢尚輝さん(20)は、食料品など普段の買い物で同店を訪れているといい「かなり問題意識を持っている。学生が生活しやすいまちづくりを期待したい」と望んだ。

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