先日、夫婦で酒を飲んでいる最中、夫のスマートウォッチのバイブがいきなり反応した。LINEの通知かと思ったら、何と「高心拍数」の知らせ。1分あたりの心拍数が安静時よりも上回る状態が続いたため、知らせてくれたようだ。
この時の夫の心拍数は130BPM(BPMは1分あたりの心拍数)。普段は70BPM程度なので、確かに異常だ。「すごいゾ、スマートウォッチ」と思ったと同時に、「スマートウォッチは、飲み過ぎの抑止力になるな」と感じた。知らせの後、夫はノンアルコールに変更。店を出る頃には顔の赤みも引き、動悸も治まっていた。
130BPMとまではいかずとも、酒を飲むとほとんどの人は心拍数が上がる。アルコール自体、またアルコールが酵素によって分解された後にできるアセトアルデヒドには血管を拡張させ、血流を促進させる作用がある。それによって脈拍が上がり、動悸がするとされている。
ただ単に酒を飲んで脈拍が上がるだけならいいのだが、怖いのはその裏に病気が隠れている場合。例えば高血圧、狭心症、心不全、不整脈などが挙がる。もし、酒を飲んで動悸がするようなことが続いたら、お近くのクリニックできちんと検査することを強くすすめたい。ちなみに夫は特に異常なし。元々アルコール耐性が弱いことが原因で頻脈になったようだ。
スマートウォッチがなくても、酒を飲んでいる最中、動悸がしているかどうかは容易に自己判断できる。もし飲んでいる最中、どきどきするようなことがあったら、すぐにノンアルコールに切り替えたほうがいい。また、その場だけでなく、普段から休肝日を設ける、塩分を控える、適度な運動をするなどのセルフケアも大切。アルコール性の心筋症になってしまったら、治療法は「禁酒」しかない。飲めないなんて、悲しいじゃないか! そうならないためにも、今よりもっと自分のカラダに関心を持ち、飲み過ぎない程度に酒を楽しんで欲しい。