「全ての注目が日本人選手に集まっていた」古巣マドリー相手に躍動した久保建英に現地メディアは軒並み高評価!

現地時間4月26日に行なわれたラ・リーガ第33節、レアル・ソシエダはレアル・マドリーに0-1で敗れ、3試合未勝利となった。

4月に入って白星のないソシエダが本拠地レアレ・アレナに首位チームを迎えた一戦は、29分にマドリーの連続したダイレクトプレーで、初スタメンを飾った19歳のアルダ・ギュレルに先制ゴールを許すと、その後は互いにチャンスを生み出したものの、次の1点は生まれることなく、試合終了を迎えている。
30節アラベス戦以来のスタメン入りを果たし、リーガでは26節ビジャレアル戦以来、公式戦では3月5日のチャンピオンズ・リーグ(CL)パリ・サンジェルマン戦以来となるフル出場を果たした久保建英は、古巣相手に躍動し、チャンスメイクやフィニッシュで印象的なプレーを披露。32分には相手DFをかわしてゴールネットを揺らしたものの、直前に味方のファウルがあったとして取り消しにされる場面もあった。

データ専門サイト『WhoScored.com』によれば、ボールタッチ68回、シュート1本(枠内)、パス39本(成功33本)、キーパス3本、ドリブル7回(成功3回)、インターセプト1回、ファウル1回というスタッツを記録した背番号14は、試合後、『Movistar+』のインタビューで「試合を見た人なら、誰でも我々が勝利に値したことを知っていると思います」「マドリーは幸運でした」と語っている。

また、自身のゴールが取り消されたことにも言及し、アンデル・バレネチェアがオーレリアン・チュアメニを背後から倒した場面について、「僕が言えるのは、バレネがボールを奪おうとし、失った選手は寝ていたということです。分かりませんが、CLであれば笛は吹かれなかったと思います」と判定に不満を示し、さらに「日程変更やこんな酷いことが起きて、ファンにとっては残念です」と、マドリーの都合(CL準決勝)によって試合日が1日早くなったことにも苦言を呈した。

そんな日本人選手に対する現地メディアの評価は、マドリードのスポーツ紙『MARCA』が3点満点の採点で両選手最高タイの「2」(最高はカルロ・アンチェロッティ監督の満点)を与え、一方の『AS』紙は「久保はどのチームにとっても厄介な存在である」と称賛し、個別評価の記事では以下のように綴っている。

「筋肉の問題を克服し、スタメンに復帰した久保は、最高のパフォーマンスを披露し、最も見る者に感銘を与え、創造性を感じさせる選手となった。ゴールネットを揺らすも、VARで取り消されたが、彼にはさらに2つのチャンスがあった」
一方バルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』は、前半、試合全体の両方で久保をソシエダのベストプレーヤーに選定。そして、「久保は怪我が回復し、通常よりも活発なプレーを披露。それは、2023年の彼を思い起こさせた。1対1での対峙、走りながらボールを受ける場面が多く、これで相手のファウルや警告を誘発し、ゴール前で危険な場面を創出。エデル・ミリタンをかわして右足でゴールを決め、元所属チーム相手にもかかわらず喜びを爆発させたが、VARで取り消された」と、そのプレーを振り返った。

日刊紙『El Pais』は、ソシエダの攻撃を「マルティン・スビメンディとベナト・トゥリエンテスが中盤を牽引し、バレネチェアとタケ久保がサイドから脅威を与えた。マドリードにとって、ホームチームの攻撃は全て、かなり不快なものだった」と伝え、また「後半、タケはフラン・ガルシアに挑戦し続けた」と久保についても言及している。
ラジオ局『Cadena SER』は、久保が不満を露わにしたチュアメニに対するバレネチェアのファウルの場面に注目し、審判アナリストの意見として、バレネチェアのファウルに「疑いの余地がない」との見解を示し、久保の試合後のコメントに対し、チュアメニが自身のSNSで「不思議」「理解できない」ということを示す絵文字で反応したことを報じた。

ソシエダの地元バスクの日刊紙『noticias de Gipuzkoa』は、「イマノル・アルグアシル監督は勇気を持って、右SBにアルバロ・オドリオソラを起用し、その前に久保を配置した。全ての注目は日本人選手に集まっており、常に彼は古巣に対して非常に意欲的にプレー。さらに彼は、攻撃面で重要な選手でもあった」と綴り、久保の存在の大きさを強調している。

そして、10点満点の採点ではチーム最高タイの「6」を彼に与え、ベストプレーヤーに選定。寸評では、「再び、違いを生み出すラ・レアルの武器となった。ただ、何度もチャレンジしたが、最高の状態には程遠かった。ニアポストへのシュートが決まらなかったのは残念だった。それでも、彼は決してチャレンジする気持ちを失わず、ラ・レアルで最も危険な存在だった」と、良い点と悪い点の両方を挙げた。

最後にサッカー専門サイト『El Desmarque』は、「久保は多くのチャンスを作り出そうと努力し、積極的にプレーした選手のひとりだ」と賛辞を贈り、個別評価では「ゴールを取り消されたことを除けば、彼はかなり良かった。マドリーの守備を簡単に破るなど、彼のプレーには活気と意欲があった」と綴り、採点はチーム2番目タイとなる「7」を付与している。

構成●THE DIGEST編集部

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