中国経済の安定性、活力、潜在力に注目 新華社経済円卓会議

中国経済の安定性、活力、潜在力に注目 新華社経済円卓会議

中国の重機メーカー、方大集団北方重工のシールドマシン生産作業場。(3月21日撮影、瀋陽=新華社記者/楊青)

 【新華社北京4月28日】新華社は25日、有識者が経済問題を議論するオムニメディア形式のトーク番組「中国経済円卓会議」の第4期を配信した。

 番組には、国家発展改革委員会の李慧(り・けい)国民経済総合司副司長、国家統計局の王冠華(おう・かんか)国民経済総合統計司副司長兼報道官、中国のシンクタンク中国国際経済交流センターの張燕生(ちょう・えんせい)首席研究員、深圳上場の製薬会社、重慶華森製薬の游洪濤(ゆう・こうとう)董事長の4人が出席。中国経済の第1四半期(1~3月)の実績を「好調な滑り出し」と評し、今年以降の安定的で健全な発展に強固な基盤を築いたとの見方を示した。

 第1四半期の中国経済は回復の勢いが力強く、実力と柔軟性を示し、不確実だった世界経済の枠組みに急務とされていた確実性をもたらした。中国国家統計局の統計によると、国内総生産(GDP)は前年同期比5.3%増え、23年第4四半期の5.2%を上回った。

 李氏は、経済と社会の発展が「安定した滑り出し、スムーズな離陸、前向きなスタート」を実現したと述べた。

中国経済の安定性、活力、潜在力に注目 新華社経済円卓会議

新華社のトーク番組「中国経済円卓会議」第4期で議論する参加者。(北京=新華社配信/李賀)

 国家統計局によると、第1四半期のGDPは前期比で1.6%増加し、伸び率は7四半期連続で上昇した。購買担当者景気指数(PMI)や貿易、固定資産投資など他の経済指標からも、世界第2位の経済大国が回復の勢いを増していることが見て取れる。

 モノの貿易額は前年同期比5.0%増となり、初めて10兆元(1元=約22円)の大台に乗せた。固定資産投資も伸びが加速。ハイテク分野への投資の伸びが大きく、産業高度化の加速が明らかになった。

 中国経済の拡大も世界中で認識されている。世界各国の金融分野の専門家らが集う国際組織、国際金融フォーラム(IFF)によると、中国は世界経済の主要なエンジンで、中国経済の昨年の世界経済成長への寄与は32.0%に上った。

 王氏は、中国経済は世界の主要経済国・地域の中で主導的地位を保っており、依然として世界の経済成長の重要なエンジンで、安定剤の役割を果たしていると述べた。

 第1四半期の統計の内訳を見ると、量的な成長だけでなく質的な成長でもあることが分かる。中国は質の高いイノベーション主導型の発展を堅持し、着実に発展している。デジタル経済やグリーン(環境配慮型)・低炭素産業の力強い成長に伴い、従来型の製造業から高付加価値・ハイテク産業へと徐々に転換している。

 一定規模(主要業務の年間売上高2千万元)以上のハイテク製造業の伸び率は7.5%と、23年第4半期を2.6ポイント上回った。航空宇宙機・設備製造業への投資は42.7%増、サービスロボットと新エネルギー車の生産台数はそれぞれ26.7%増、29.2%増と大きく伸びた。

 中国の経済成長に対する内需の寄与は85.5%に達し、一段と均衡の取れた持続可能な成長を遂げている。

 アナリストは、中国経済は急速な成長から質の高い発展へと移行しつつあり、安定した発展を維持する潜在力は高いと指摘する。

中国経済の安定性、活力、潜在力に注目 新華社経済円卓会議

中国(黒竜江)自由貿易試験区黒河片区にある黒河越境電子商取引(EC)パークのスマート倉庫物流センターで、貨物を探す作業員。(1月31日撮影、黒河=新華社記者/謝剣飛)

 中国は経済回復を進めるため、さまざまな政策で下押し圧力を打ち消し、構造的な課題に対応している。今年も積極的な財政政策と穏健な金融政策の継続を打ち出し、超長期特別国債の発行(初年となる今年の発行額は1兆元)など一連の成長促進策を講じる方針を示した。

 投資や消費の促進に向け、大規模な設備更新や消費財の「以旧換新(買い替え)」を促進する新たな取り組みにも力を入れている。27年には工業や農業、建築、交通・運輸、教育、文化・観光、医療などの分野の設備投資規模が23年比で25%以上増える見通しとなっている。

 高いレベルの対外開放を推進し、ビジネス環境を最適化するため、中国は外国企業による投資を奨励する24項目の措置を打ち出した。投資参入ネガティブリストを一段と縮小するとともに、科学技術イノベーション分野で投資参入を緩和する試行的取り組みを実施する。

 シルバー経済から消費、金融、雇用、グリーン(環境配慮型)・低炭素発展、科学技術イノベーション、小規模企業まで、各分野で政策や奨励措置が取られている。

 張氏は、今年通年の成長目標を達成するため、中国は需要不足や不動産市場の調整などの課題にさらに対処し、「新たな質の生産力」(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)の発展を加速させることで経済の質の高い発展を推進する必要があるとの認識を示した。

 李氏は「一連の重要な改革と政策・措置のさらなる実施に伴い、われわれも引き続き実体経済の強化と消費の促進、投資の拡大、貿易の安定に努めていく」と語った。

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