カタクリは春に薄紫色の花をつける、ユリ科の多年草だ。秋田県仙北市には「かたくり群生の郷」と呼ばれる、国内トップクラスのカタクリの群生地がある。その規模は約20ヘクタール(東京ドーム4.2個分)にも及び、一面が薄紫色に染まる光景が見られる。今回はかたくり群生の郷でのお花見の様子をレポートする。
かたくり群生の郷を訪れたのは、開園してすぐの2024年4月14日。当日天気は晴れで、最高気温が20℃を超える暖かい日となった。かたくり館で受付を済ませ、山間に点在している群生地へ車で向かう。
●施設名 かたくり館
・住所:秋田県仙北市西木町小山田字八津249-1
・電話番号:0187-47-3535
■「カタクリが一面に咲く」鎌足中心コース(B)の5番
園内には1~29の群生地があり、今回は近くに駐車場がある群生地を順に周った。最初に向かった場所は、鎌足コース上にある5番の群生地だ。道中にある駐車場に車を停め、散策スタート。遠くからでもわかるほどに地面が薄紫色に色づき、カタクリが一面に広がっていた。ビッシリと咲き乱れているさまは、まるで薄紫色の絨毯のようだ。
カタクリの近くに歩み寄り、花を観察してみる。うつむき加減に咲いており、ひかえ目な感じが可愛らしい。ちなみに、カタクリの花言葉は、「初恋」や「寂しさに耐える」だ。恥ずかしくて気持ちを伝えられない、初恋の乙女を連想しているようだ。また、地元秋田県ではカタクリのことを「カタッコ」や「カタンコ」と呼んでいる。
■「白花が咲く」縦断散策コース(C)の25番
次にたどり着いた場所は、縦断散策コース上にある25番の群生地。駐車場付近には、「白花」と書かれた標識が立っている。東屋の脇を通り奥のほうへ進むと、筆者が探していた白いカタクリが咲いていた。
一般的なカタクリは薄紫色だが、稀に白色に変異したカタクリが咲く。凛と咲く白花カタクリは妖精のように美しく、確かな存在感を放っていた。
■「大株のカタクリだらけ」山辺遅咲きコース(E)の10番
最後に訪れたのは、山辺遅咲きコースの上にある10番の群生地だ。一番初めに行った5番の群生と比べると、カタクリの量は少ない。しかし、よく見ると一株にたくさんのカタクリが密集して咲いている。大株のカタクリがよく見られ、全体の量は少なくとも見ごたえのある群生地だった。
■かたくり群生の郷の周り方
各群生地へは車での移動が可能だが、一方通行なので注意しよう。また道路が細いため、大きい車だと苦労するかもしれない。
車は手軽に移動できる一方、隅々まで見られないのがデメリット。もし各群生地をゆっくり見て周りたい場合は、徒歩で周るのがおすすめだ。
■カタクリ絨毯の絶景を見にいこう
かたくり群生の郷では、カタクリが絨毯のように広がる絶景が楽しめた。また、一つひとつのカタクリを観察してみると、花の色の濃淡や株の大きさの違いなど、ちょっとした変化があるのがおもしろい。かたくり群生の郷は、2024年度はGWまで開園している。カタクリの花見をしに、ぜひ訪れてみてはいかがだろうか。
●施設名 かたくり群生の郷
開園期間(2024年):4月12日~5月5日
入園料:1人500円
住所:秋田県仙北市西木町小山田八津